ねぇ…

翔くんは、どう思ってるの?



ちょっと覗き込むしぐさ

ズルい

ヤバい………

この顔に弱いこと知ってるの?



嵐を辞めて欲しいのか

嵐に戻って欲しいのか

複雑過ぎて

自分でも、わからないのに



嵐は、5人で嵐だから!

と、他のグループと違って

たった1人抜けただけで、稼働しなくなる珍しいグループだ。

智くんの代わりなんて、考えられない。

そして、何年経ってもこの5人でいることに、拘っている。。

これだけ言えば、人は……どんなに絆が強いグループなんだと思うだろう。


だけど

たまたま、その時代に同じ事務所に居合わせた、ほぼ同期みたいな子供5人が、社長の気まぐれだけで、グループを結成させられただけなんだ。

だから、お互いのことなど全く分からないし、気が合うとも思えなかった。

仲が良いと言うよりは、むしろギクシャクしたり、イライラする事ばかりだった。




そんな多感な嵐を、まとめたのはやはり、まとめない主義のリーダーだった。
一番年上なのに、年下みたいに可愛くて、先輩風を吹かさないから、メンバーも智くんのこと…いじりまくってさ。
末っ子みたいで、優しいリーダーのせいか、反抗期だった松本もいつの間にかすっかり智くんに、懐いていた。


松本は、最近事務所のプロデュースをしているらしい。だからオレは、智くんを松本のところに連れて行くことにした。

恥ずかしいけれど、自分の力では自信がなかったからだ。



松本は、彼になんて言って説得してくれるだろうか。