”FESTIVAL of………①”

ここで、過去記事と繋げます。

 リブログからお読みください。


誰もいないはずのマンションのロビーで、コンシェルジュたちが慌てている様子が見えた。
「あの……どうしました?」
声を掛けると、ベテランの佐藤さんが振り向き
<あぁっ!良かった。櫻井さん!大変です。大野さんがっ>

「えっ!さと……大野くんが?」
見ると真っ白いソファに横たわったサトシ
その顔色はどこまでも白く
少し苦しそうに空いた唇までも白かった。
それは、彼が醸し出すエロいサトシ……
不謹慎にも、体がギュッと反応してしまう。

「経口補水液を用意してくれる?」
<わかりました>
こんな時、管理人ではなくコンシェルジュが役に立つんだ。
救急車を勧める彼らに
「軽い貧血だと思う。家に連れて帰るから、ちょっと手伝ってくれますか?」
と、頼んだ。
<はい。もちろんです。良いときにお帰りになられて助かりました。>
玄関のドアを開けたところで、
<では、私はこれで>

<お待たせしました>
ほぼ同時に、若手のコンシェルジュが経口補水液を3本持ってきた。
「ありがとう。助かりました」

開けっ放しの自分の部屋のベッドに下ろして、薄暗い中、口移しで保水液を飲み込ませた。
飲ませるたびに、彼とのキスを楽しんでる
オレ………
反則だろ
ピチュぅ………


ひとまずは、これで大丈夫なはず。
それにしても。
ずっと避けるようにしていたのに
何で……帰って来ようと思ったのか?
まさか、
本当に彼女と別れてしまったのかもしれない。