ベッドに行こう

って、言ったのに全然動く気配がない

一糸纏わぬあられもない姿で、もう何も着る気もないだろ?

タオルをかけた。

でも、筋肉のつきかたが良くて、すごく綺麗な体だ

「風邪引くから、ここで寝ちゃダメだよ」

『う………ん。寝てない』

いや、もう寝てるじゃん


それでも、ベッドまで歩いて

何とかパジャマを着せた。

「おやすみ」チュッ

というと『おやすみ』って言う


良かったなぁ……

染々と思う

側にいても、いつか飛んでいってしまうんじゃないか?って、不安だった。

それが、全く無くなった訳じゃないけど

彼の中で何かが変わったのは、わかった。

今は、こうして2人で一緒に暮らしているんだ。

愛おしくて、思わず抱き締めた。

そして、そのまま寝てしまったらしい。




う………ん

重い……

苦しくて目が覚めた

しょお!

翔くんが、おれに被さって寝ていた。

どかすことが出来ず、自分が少しずつ横にずれてベッドから降りた

『もぉ~💢』

でも

誰にも取られたくなかったみたいに

抱き締めて寝ちゃったのかな

それが、何となく嬉しかった。


気がつくと体がベタベタしてる……

そう言えば、シャワーも浴びてないんだっけ。

風呂に入ってシャワーを浴びたら、スッキリした。

喉もカラカラだった。

リビングで、冷蔵庫から取り出した炭酸を飲んでいると、さっきの生々しい記憶が甦る。

ふふっ

やだ……

また発ちそう


窓から灯りが注いで、朝が来たことを告げていた。

あれっ?

玄関の電気が誰もいないのに、点いていた。

『故障かな?』

気になって玄関に向かうと……

「さとしくんっ!」

翔くんが、走ってきた

『あぁ、びっくりした』


「びっくりしたのは、こっちだよっ!どこに行くつもり?こんなに早く」

『翔くん……』

電気の調子を見るつもりだったのに、玄関だったから出ていくと思ったのだろう。

翔くんの慌てぶりは半端ない。

「隣で寝てると思ったのに……いつの間にか抜け出して」

『抜け出した訳じゃないよ。それにパジャマだし。』

「どこにも行かないで!オレのそばにいてっ!」

『居るよっ、だから落ち着いて』

翔くんは、オレを抱き締めて離してくれない。

『翔くん、大丈夫だから』



「……髪が濡れている……シャワー浴びたの?」

『うん。放っときゃすぐ乾くよ』

「ダメだよ。ちゃんと乾かさなきゃ」

翔くんは、ドライヤーを取りに行ってしまった。

『翔くん。仕事あるんだから、すぐ寝なきゃダメだよ』