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嵐はハワイでデビューを飾ったのに、再びハワイに行く事になった。
これが「New Year fun run」である。
何でも、kinkikidsの番組企画で、シドニーから、ハワイを逆に回って嵐が2回新年をマラソンで味わうというものらしい。
そのついでに、事務所カレンダー製作もするという、つめ込みの超特急である。

前回は、ハワイで偶然同室になった智くんだけど、今回は違う。
自分の気持ちが、ハッキリとわかった以上、絶対に同じ部屋になりたいんだ!
それで、自由時間も(あれば)可能な限りずっと一緒にいたい!
飛行機は、前回相葉が隣だったけど、それも自分が隣になりたい!
日頃から智くんとは、顔を合わせてもゆっくり出来ないから、海外という最大のチャンスが回って来たんだ。

ところが、やはり甘い考えだった。
シドニー行きの飛行機の中では、TV局のスタッフさんや、マネジャーに囲まれてしまった。
嵐のメンバー同士だと目立つので、スタッフさんの間に置くという事だった。
なんだー
でも、ホテルはスタッフさんと同室ではないよね。
って、すっかり聞き分けよく諦めたのに、一眠りして後方の通路を歩いていたら、相葉が通路席にいて、その隣に大野くん。通路にはニノが立っていて、3人でゲームに興じていた。

な、なに、あれ?なに、あれ?
相葉が座席移動したの?
俺は真面目に従ったのに!

ガキじゃあるまいし。
とは思ったけど、一応マネジャーに聞いてみた。
「あぁ、あれはたまたま最初から、相葉さんの隣が空いていたんです。そこへ、大野さんが移動したんですね。相葉さんだって、長時間のフライトを隣まで使ってゆっくり座っていたかったでしょうに。」

待って待って!
そんな事聞きたかったんじゃない。
相葉さんが、狭くなっちゃうのに、良い人ですよね?
って、続けるつもりなんだろう。
「お、大野くんから移動したの?」
そこが大事なんだよ。
「そうですよ。」って
冷たく俺を突き放す。

智くん。

もし、俺の隣が空いていたら座ってくれたのかな? 
もう、一気に脳が覚醒した。
愕然として席に戻る。
やがて機内には灯りが消え、寝静まったようだった。
また、あの二人。
手つないでるんじゃないよね?
ガキのような嫉妬が沸き上がる。
確認したくて、そっと後方を歩いてみて、我が目を疑った


智くんが、相葉の右腕に抱きつくようにして寝ている。
智くんから、背中を向けられている隣席には二宮が寝ていた。
そして、相葉は暗闇に明るく照らされて、一人で映画を見ている。
まるで、寝ないで自分の腕に凭れる恋人を守るように。
それが、とてもカッコ良くて大人に見えた時、その相葉がゆっくりと俺を見た。