【ガレット・デ・ロアと終わらないパリ】

 

みなさまご存知、

ガレット・デ・ロアは、

新年を祝うフランスのお菓子です。

 

切り分けてもらった中に、

「フェーブ」と呼ばれる小さな陶器の人形が入っていた人は、

王冠を被り、

王様(または王妃様)として祝福を受け、

その年一年を幸運に過ごせるといわれます。





 

わたしがガレット・デ・ロアのどこが好きか?

 

ズバリ、

パリの面影スイッチだから。

 

パリに住んでからもう30年!

遠い過去と言ってもいいほどの昔。

 

ですが、

ガレット・デ・ロアを、

ひとくち食べたら、

パリ時代の思い出が、

パパパパパっと、

軽く10シーンくらいは、

フラッシュバックします。

 

一切れ食べたら、

100シーンくらいかな。

 

昨日も、

里美ちゃんの絶品ガレット・デ・ロアを食べながら、

つくづく思った。

 

パリは終わってないんだな。

 

わたしがいた頃のパリは、

もう、

この世のどこにもないし、

 

わたしの中のパリは、

もはや、

原型を留めていない妄想のパリ。

 

昔、

老人になっても、

若い頃に住んでた外国の街のことを、

昨日のことのように語る人を見て、

ちょっとバカにして、

不思議に思ってたんですよね。

 

自分が、

ババァになってみてわかる。

 

その老人の中には、

面影の外国の街がずっとあって、

その人の一部分は、

そこに住み続けている。

 

ちっとも過去なんかじゃなかったんですね。

わたしのパリがそうであるように。

 

いいじゃん!

 

やっとそう思えて、

自分もそうなることを、

許しました。

 

昨日の里美ちゃんのガレット・デ・ロアは、

クレームダマンドから、

アーモンドの香りと甘みがふわっと立ち上がってきて、

サックサクのパイ生地とのマリアージュに、

面影スイッチ押されまくって、

パリ散歩を満喫して、、、

 

結論。

 

勉強したことより、

遊んだこと、

意味なくフラフラしてたこと、

ちょっと言えない悪いこと、

無為に過ぎた時間、

こそが、

宝でした。

 

なんだ、よかったんじゃん。

 

オセロみたいに、

過去をひっくり返せるのが、

年をとる醍醐味ですね。