菅平高原いちかわ村 視察ご報告
市川市議会同期の「初新会」にて
長野県に有する市川市の視察「菅平高原いちかわ村」を
視察して参りました。
昭和51年から市の社会教育施設として開設され、
平成22年度予算は4181万7000円、
平成21年度決算額は4008万1162円、
平成21年度歳入決算額は875万5770円となっている施設です。
施設の概要については市のホームページの
こちらに記載されています。
年間約5000人の利用者となっていますが、
施設の老朽化も進んでおり、
平成15年度には 受水槽を876万円で改修、
平成19年度には 畳敷きの大広間を8畳個室4室に1281万円で改修、
平成20年度には 水道管漏水改修で220万円、
その他にも今回の視察のヒアリングによって分かってきた部分として
バンガローの改修で1棟600万円を6棟、
又、平成元年には食堂や厨房等の大幅な改修で1億2000万円が使われているとのことでした。
旧式のバンガロー。現在は物置として使用、これが3棟残っています。
1棟600万円で改修された新バンガロー。1部屋とテラスの仕様です。
施設長は現地採用21年目の方が勤めており、
その他に非常勤職員2名と
厨房の委託業者によるスタッフで運営されています。
利用者の負担する宿泊費用は1泊大人個室で2520円~3150円、
バンガローで3780円ですが、
現実の宿泊者1名に対してかかっているコストは約8500円程度、
つまり、宿泊費で足りない部分は市の税金で賄われていることが
今回の視察で分かりました。
菅平高原いちかわ村の位置付けは「社会教育施設」ですが、
今回、現地を視察してみての個人的な考えを述べますと
・開設した昭和51年当時とは市民の旅行事情や市が保養所を有する意義が変化している
・宿泊者獲得にはキャパシティの限界があり、かつ、宿泊者が増えるごとに赤字が増えるジレンマもある
・7-8月は満館とのことだがオフシーズンの稼働率が低く効率が悪い
・今後の課題として下水道負担金250万円が直近に迫っている
・現地周辺の観光地事情も従来に比べて元気のない状況となっている
以上のようなことから、
既にいわゆる「安価での旅行先提供」という意味での保有意義は低く、
土地1万坪にも及ぶこの施設を今後も市川市が保有し続けるのであれば
新たなる保有意義、目的を検討し、
既存施設の新たなる有効活用を図るよう方針転換を行うべき施設であると考えます。
例えば、
ハイシーズンである7-8月は稼働率も高いことから現在のように市民の宿泊地として活用を行い、
オフシーズンには教育における別の活用方法、
例えば研修や移動教室、校外施設としての活用等も検討できるのではないかと感じました。
昨今、23区等が有する校外施設(肥満児やぜんそく、アトピーなどの子が区内と同じ学習をしながら全寮制で自然の中で心と身体の健康づくりを目指すための施設)については財政難等を理由に廃止されたものもあるようですが、その存在の効果は高く、
保護者からは熱心な存続運動も行われたと聞いています。
又、本施設を研修等で利用する場合には、
50名程度集まれば貸し切りとして運営できるとの施設長の言葉もあり、
このようないくつかの要素を複合的に検討することによって
当該施設の存在意義もより高まるのではないかという気がしました。
今までにかけた労力や税金なども総合的に見て、
その上で、
採算性を要求するべき施設として存続するのか、
売却等も視野に入れるのか、
社会教育として採算性とは違う価値観を持って運営するのか、
その場合には、どのような市民利益を追求して行くのか、
などの点について安易に方向性を定めるのではなく、
今後どのような方向性で運営を図るのか改めてきっちり検討を行い、
その上で利用状況や存在意義、市民の利益がどの程度あるのかを分析し、
今後、市川市にとってどうするべきものであるか再検討をするべき施設であると感じました。
食堂部分、冬にはこの窓の1メートル部分まで雪が積もるそうです。
長野県に有する市川市の視察「菅平高原いちかわ村」を
視察して参りました。
昭和51年から市の社会教育施設として開設され、
平成22年度予算は4181万7000円、
平成21年度決算額は4008万1162円、
平成21年度歳入決算額は875万5770円となっている施設です。
施設の概要については市のホームページの
こちらに記載されています。
年間約5000人の利用者となっていますが、
施設の老朽化も進んでおり、
平成15年度には 受水槽を876万円で改修、
平成19年度には 畳敷きの大広間を8畳個室4室に1281万円で改修、
平成20年度には 水道管漏水改修で220万円、
その他にも今回の視察のヒアリングによって分かってきた部分として
バンガローの改修で1棟600万円を6棟、
又、平成元年には食堂や厨房等の大幅な改修で1億2000万円が使われているとのことでした。
旧式のバンガロー。現在は物置として使用、これが3棟残っています。
1棟600万円で改修された新バンガロー。1部屋とテラスの仕様です。
施設長は現地採用21年目の方が勤めており、
その他に非常勤職員2名と
厨房の委託業者によるスタッフで運営されています。
利用者の負担する宿泊費用は1泊大人個室で2520円~3150円、
バンガローで3780円ですが、
現実の宿泊者1名に対してかかっているコストは約8500円程度、
つまり、宿泊費で足りない部分は市の税金で賄われていることが
今回の視察で分かりました。
菅平高原いちかわ村の位置付けは「社会教育施設」ですが、
今回、現地を視察してみての個人的な考えを述べますと
・開設した昭和51年当時とは市民の旅行事情や市が保養所を有する意義が変化している
・宿泊者獲得にはキャパシティの限界があり、かつ、宿泊者が増えるごとに赤字が増えるジレンマもある
・7-8月は満館とのことだがオフシーズンの稼働率が低く効率が悪い
・今後の課題として下水道負担金250万円が直近に迫っている
・現地周辺の観光地事情も従来に比べて元気のない状況となっている
以上のようなことから、
既にいわゆる「安価での旅行先提供」という意味での保有意義は低く、
土地1万坪にも及ぶこの施設を今後も市川市が保有し続けるのであれば
新たなる保有意義、目的を検討し、
既存施設の新たなる有効活用を図るよう方針転換を行うべき施設であると考えます。
例えば、
ハイシーズンである7-8月は稼働率も高いことから現在のように市民の宿泊地として活用を行い、
オフシーズンには教育における別の活用方法、
例えば研修や移動教室、校外施設としての活用等も検討できるのではないかと感じました。
昨今、23区等が有する校外施設(肥満児やぜんそく、アトピーなどの子が区内と同じ学習をしながら全寮制で自然の中で心と身体の健康づくりを目指すための施設)については財政難等を理由に廃止されたものもあるようですが、その存在の効果は高く、
保護者からは熱心な存続運動も行われたと聞いています。
又、本施設を研修等で利用する場合には、
50名程度集まれば貸し切りとして運営できるとの施設長の言葉もあり、
このようないくつかの要素を複合的に検討することによって
当該施設の存在意義もより高まるのではないかという気がしました。
今までにかけた労力や税金なども総合的に見て、
その上で、
採算性を要求するべき施設として存続するのか、
売却等も視野に入れるのか、
社会教育として採算性とは違う価値観を持って運営するのか、
その場合には、どのような市民利益を追求して行くのか、
などの点について安易に方向性を定めるのではなく、
今後どのような方向性で運営を図るのか改めてきっちり検討を行い、
その上で利用状況や存在意義、市民の利益がどの程度あるのかを分析し、
今後、市川市にとってどうするべきものであるか再検討をするべき施設であると感じました。
食堂部分、冬にはこの窓の1メートル部分まで雪が積もるそうです。