千葉県動物愛護センター 視察 | ライター・時短美容家 並木まき Official Blog Powered by Ameba

千葉県動物愛護センター 視察

少し前のことですが、3月26日に千葉県動物愛護センターへひとりで視察に伺いました。


私の政策のひとつである「人間と動物が共存できる社会」の実現に向けて、今の現実を見つめるための視察となりました。


実は・・・この視察をブログでご報告をしたいと思いながらも、今日まで書くことが出来ませんでした。


そこで行われていることを、知識としては知っていたものの、
理屈ではない現実の悲惨さや、無残さを目の当たりにして、

言葉で表現することが出来ないショックを受け、どのようにご報告したらよいのか迷っていました。

でも・・・この現実をひとりでも多くの方に知っていただき、命の大切さや、安易なペットブームの裏にある事実を、一緒に考えていただきながらの改善策を見つけたいという思いから、今日こそは記事を書かせていただきます。


ひとことで言ってしまえば・・・動物愛護センターでは、動物の致死処分が行われており、

県内の迷い犬や持ち込まれた犬、猫たちの多くが、このセンターで殺処分されています。


千葉県は犬の収容・捕獲頭数が全国でもワーストクラスとなっており、この分野の課題は山積しています。

実際の頭数の推移を見てみると、平成9年度に約1万7000頭だった頭数は、平成18年度には約6700頭まで減らしているものの、返還や譲渡がなされずに致死処分に至った頭数の絶対値で見てみれば平成18年度で約6000頭。

譲渡や返還などで命を救われた犬は割合でいうと1割程度のわずか700頭程度なのです。


迷い犬は捕獲されてから7日間で致死処分とされてしまいます。

持ち込まれた動物については猶予の時間はなく、持ち込みの翌日には処分されます。



実際に施設を見学しました。

当然ながら、明るい雰囲気ではありません。

どこか物悲しく、寂しい雰囲気の施設でした。


施設



マイクロチップ


入り口にはマイクロチップの判別機械が置いてあります。

マイクロチップ導入には賛否両論ありますが、

センターに来た犬は必ずこの機械を通るので、迅速に飼い主を特定できることは事実です。
職員の説明によると、実績としてここに来る犬のうちチップ導入がされている犬は1%にも満たないとのこと。



inu



犬たちは、冷たい床に、収容された曜日ごとに部屋が分けられて7日間を過ごします。

人懐っこい犬が多く、視察中も期待に満ちた目で私たちを見つめていました。

助けてあげたくても助けてあげることができず・・・。



saigo


部屋を1つ移動するごとに、致死処分が行われる部屋へと近付きます。

上の写真は、最後の部屋に居た犬たちです。

この犬たちは私の視察の翌日には・・・致死処分されてしまっているのです。



通路

最後の廊下です。

これが、処分の行われる部屋に向かう道です。

この先の処分部屋については、視察は出来ましたが写真撮影は禁止とのことでした。



そこにはつらい現実があります。


最後の瞬間は「安楽死」ではないのです。


大きな金属製の箱に、その日処分されてしまう犬たちがまとめて入れられ、

炭酸ガスによる一斉処分が行われているのです。

苦しい中で意識が遠のき、出口をもとめてうろうろする犬や、

苦しみのあまりに爪で床を引っかきながら、「安楽死」とは程遠い環境の中で死んでいくのです。


一定の時間が過ぎると・・・金属の箱の床が開き、焼却炉へそのまま落とされるのです。



猫の場合も同様です。

猫は迷い猫という規定がないので、処分される猫のほとんどが、

人の手によってセンターに直接持ち込まれた猫です。

猫の場合は1匹ずつ小さな金属製の箱に入れられた後、犬と同様の処分方法が行われます。



慰霊塔


ひっそりと・・・センターの裏に慰霊碑が建っていました。


焼却された犬猫のお墓は、勿論ありません。

廃棄物として処理をされてしまうだけです。

せめて魂だけでも供養したい・・・慰霊塔にはペットフードやおやつ、お水などが置かれていました。




予定よりも長くの時間に渡ってセンター所長から多くのお話を伺いました。

処分頭数がワーストに入っている千葉県も、今はより多くの取り組みを始めています。


職員の方々も、1匹でも多くの動物を救おうと一生懸命に活動をなさっています。


センターのホームページ 内に収容犬情報 などの情報が掲載されるようになりました。

全ての犬の写真を撮影して特徴を掲載していますが、これは毎日のことで、

時には時間外勤務をしながらの作業となっているそうです。

本当は全ての命を救ってあげたいと思いながらも、現実問題として今は・・・「一頭でも助ければ意味がある!」と、職員の方々は今日明日の処分数を減らすことに難しさを実感なさいながらも、10年後20年後の処分数減少に繋がると信じて、学校教育の中での啓蒙活動に力を入れていらっしゃるとのこと。


更に、「飼い主さがしの会」についても、今までは平日だけの開催だったものを職員が休日出勤を行う形で対応し、確実に譲渡頭数を伸ばしています。

職員数が限られている中で、サービス残業も行いながら、ひとつひとつの課題に取り組んでくださっているセンター所長をはじめとする職員の方々の活動に心より敬意を表します。


千葉県動物愛護センター


どのような表現を使えばよいのかがわからずに、つらつらと書き連ねるような文章となってしまい、読みにくかったことと思います。

最後までお読み頂き、本当にありがとうございます。




ひとりの政治家として、私に何が出来るだろうかと考えています。

たくさんのボランティアの団体さんや個人の方々がこの問題に取り組まれ、実績を挙げていらっしゃいます。

それでも、処分頭数がゼロになる日はまだ遠いのです。


課題や問題点、更には価値観、環境・・・。

この問題を考えるにあたっては、より多くの方々からのご意見を頂きたく、

小さなことでも結構ですので、並木まき宛てにご意見を頂ければ有難く存じます。