普段わたしは、マッサージでも鍼灸でも施術前に東洋医学的脈診を含め患者様のお身体の現状を拝見します。
※鍼灸の場合はROM(関節可動域)検査も行います
問診票に記載のない(患者様ご本人もお忘れになるくらい昔の骨折など)既往歴も当然のことですが私たち施術者は身体に触れるとすぐにわかります。
関節部に近い骨を骨折した場合に関節可動域が健側に比べると制限されて動きが悪くなっているからです。
何故こんなに健側とハッキリ差が出るくらいの回復レベルになるのかと疑問に思い調べてみました。
整形ドクターはじめ理学療法士さんや作業療法士さんはごくごく当然の知識だと思いますが、私自身が人の身体に関わる仕事である以上きちんと理解してスッキリさせたいという気持ちがありました。
先ず、基礎知識から
筋肉繊維がやせ細ること→萎 縮
関節が固まって動きが悪くなること→拘 縮
骨折の治癒過程
①炎症期 受傷し出血やリンパ液の遊出により血腫形成
24~48時間経過すると出血・リンパ液が増して腫脹増大
※ここでの適切な処置が後の骨再生に大きく関わる
みんな周知の↓
< RICE処置 >
Rest 安静
Icing 冷却
Compression 圧迫
Elevation 挙上 (患部を心臓より高い位置に保つ)
②仮骨形成期
骨折後約1週間で層状の仮骨形成がはじまる
この時期は真の骨組織とは異なりレントゲンでは鮮明に写らない
③仮骨硬化期
4週間経過すると仮骨は成熟した骨組織になっていく
この時期に入ると明瞭に仮骨が骨折部を紡錘形に覆っている状態がレントゲンで確認することができる
➃リモデリング期
骨折部を紡錘形に覆っていた硬化仮骨は、患部が回復すると同時に骨破壊と骨形成が進行して形態修正(自家矯正)していく
自家矯正は、数年単位で行われて最終的に整った骨に戻る
━負傷後の関節拘縮がなぜ起こるか?
関節を直接構成する組織以外の関節包、筋(腱、靭帯)、皮膚などの軟部組織が萎縮や収縮し関節面以外で癒着を起こし関節可動域が制限されたもの
ここからが重要
以前は、
「ギブスが取れてからリハビリ開始」が一般的でした
が
現在は「負傷後数日」「処置をした後」からすぐリハビリ開始
㊟筋肉や関節は数日動かさないだけで萎縮や拘縮が始まる
∴痛みがない部位のリハビリは骨折の処置をしたらすぐに始めるのが理想
🗝負傷部位につながる筋肉・関節可動域の安定が回復のカギ
いつも私から患者様にお話ししている
1つの動作は、筋肉が連動して起こるのだと
だから、患部にだけ鍼を刺してもダメなんです‼︎と
同じ事で患部だけでなく関係する部位からリハビリなんですね❗️
古傷の関節拘縮がすぐにわかる多くの患者様たちが現在のリハビリ定義において早期にリハビリしていたら、健側同様に可動域が回復したのではないかと思いました。
医療も日進月歩ですから仕方ないですけどね・・・
かといって、何もしないでイイわけではないんです!
動きにくくなってしまった関節を放っておかないで積極的に動かしていきましょうね。
関節硬いと大きな怪我につながる恐れあり❗️
これは私の十八番
寝て治るのは二十歳まで!
いつまでも二十歳のままの身体の人なんて居ない‼︎
私は患者様たちに『老いる』という事実に向き合ってもらいたくて、このセリフを言って伝えます。
長い人生
元気で全うするって大変なことよね。
患者様と私たち鍼灸師は、同じ目的に向かって頑張るチームです。
一緒にやっていきましょッ💪
骨折直後のリハビリは自己流で行ったり自己判断でやめたりしないで
PT理学療法士さん、OT作業療法士さんの指導の下にきちんと計画通り行いましょう。
菊名 しんきゅう&アロマ処「零一」 田 中