優しさを持って勝つことができるから「優勝」。
高校の体育祭のとき、
「悲願の優勝」と必死になっていたときにもらった
ホッと初心に返らせてくれるようなスローガンだった。
中高一貫の6学年が
容赦なしに学年対抗で競うものだったから
運動能力や技術力の並ぶ高校2年生と3年生は
毎年競り合う。
練習に全力使うことの出来る高校2年生が
時々高校3年生の「花道」を奪ってしまうこともあって。
「有終の美」を飾りたい、、という一心で
いかに相手を出し抜くか、という見方をしたり
「自己ベスト」より「相手を負けさせる」
ことが主眼になって周りが見なくなりかけた私たちに
「一歩大人になってね」という気持ちを込めて
与えてもらったスローガンだった、と思う。
そんな時代から、気がつけば十数年経った今
卒業をしたひとり一人が、それぞれの分野で、生活で、
「よりよい毎日」や「しあわせな時間」を目指している。
携帯電話もメールもなかった時代を思い出してみれば
ちょっとずつ、ちょっとずつ
せわしない、忙しい世の中になってきたんじゃないかとも思う。
競っているつもりはなくても、比べたり、比べられたり。
自分の持てていない勢いに焦らされたり、
なんとか相手を出し抜かなくちゃ行けない状況があったり
本意じゃなくても頑張りの見せ所はラットレースだけだったり。
「いいひと」だけじゃやっていけなかったり
「理想」では食べていけなかったりもする。
けど、そんな世の中で
おおきなしあわせを手にすることが出来るのは、
優しく勝つから「優勝」
なんて言うことの出来る、
人を包み込める考え方を持っているひと
じゃないかな。
一生懸命になると、
見落としてしまいがちなことだから
ちょっとゆとりがあるときにこそ
覚えておきたい。