砂礫と共に宙を舞う…。

受け身をとる事すらままならず、したたかに背を打ち付け一瞬息が止まる。



夜の砂漠で魚竜ガノトトスを狩り、少し温かい懐にちょっとニヤケながら広場を歩いていると、後ろから聞き覚えのある声。

振り返るとファショナブルな防具に身を包んだ一人の男性ハンターが私を呼んでいた。


二年近く付き合いのある彼は片手剣の名手だ。

その彼に誘われるまま酒場でクエストを受注し今に至る。


「剛種適性試験」と銘打たれたディアブロスを狩る為、私は再び夜の砂漠に赴いたのだが…。



ぐはっ!!


空になった肺に無理やり空気を送り込み顔を上げる。

まずい!

眼前に迫る巨大な尾。
そのままハンマーとして使えるものを本来の持ち主が振るうのだ。

直撃を受ければ、人など簡単に動けなくなってしまう。

痛みを気力で押し殺して大剣を構え、その腹で受ける。
が、圧倒的な速度で振り抜かれたそれはガードごと私を弾き飛ばした。

地中に潜ってから攻撃までの時間が短い。
脚力を生かしフィールドを縦横無尽に駆け抜けるディアブロスは、剣士で挑むには厄介な相手だ。

突進後も火竜の様に倒れ込むことなく、頑強な脚で制動をかけ素早く標的を正面に捉えてくる。



尾の一撃で距離が開くのと同時に身を低くして突進の構えに入るディアブロス。

私はそれをギリギリでかわし追撃しようと身を翻した瞬間、全身がバラバラになるような衝撃を背中に受け吹き飛ばされた。


かはっ!!

何が起きたのか理解出来ぬまま遠のこうとする意識を手繰り寄せ、標的を探す。


弾き飛ばした私に興味を失い、共に来たハンターに的を変えたようだ。
次第に足音が離れていく。


何とか身を起こし回復薬を呷りながら目でディアブロスの動きを追う。