何を見ているのかと、親方の手にある書物を覗き込む。


「ヴァイスアヴィレ」
「ノワールジャケット」
「レイアフォールド」
等々。

その書物には見たことのある、というより使って性能を体感した武具ばかりが載っている。



「親方、コレってもしかして…?」

「ん? ああ、察しの通りお前さんの武具目録だ。」

全てのハンターは須くこの工房を利用する。
装備の製作も売却もさることながら、使わなくなった武具の預かりも一手に引き受けてくれている。

自分の作った武具の目録位在って当然ということか。

「お前さんの要望に充分応えられるワケじゃぁないが…。」

「うん?」

彼の中である程度考えが纏まったようだ。
流石は作る側のプロ。

「…取り敢えずこんな感じでどうだ?」

親方の提案は、希望に近しいスキル構成の装備を試しに使ってみて、それから本格的に検討してみたらどうか?
というものだった。


極力手持ちの防具で組み、足りない部位だけ作る。
具合をみて、その上で納得出来るなら更に上位のものを、今度こそ資金と時間を投入して作ろうというわけだ。


親方が提案してくれた装備を工房の倉庫から出し、一部位だけ派生強化してもらう。

作りはしたものの、使い所が見つからずに倉庫に眠っていた防具達。

最終強化は素材の都合でまだまだ先のことになりそうだが、外観は悪くない。


色は少々目立つ。
しかし、狩りに出、一度モンスターに気付かれれば、彼らはその鋭い感覚で私達ハンターの存在を把握し続ける。

あまり気にする事でもないだろう。

「暫くコレの強化しながらやってみるわ。」

「素材が揃ったらいつでも来な。ただ、無理だけはするなよ?」

「親方、相談に乗ってくれてありがとう。」

「いいってことよ。」



礼の言葉を残して私は工房を後にした。