彼が飛び去った方角と地図を照らし合わせ、おおよその見当をつける。


沼地の最奥、最初にリオレウスと向き合った草地だ。
煤と泥にまみれた手の平を拭い、大剣の柄を水溜まりで洗うと最後の回復薬を飲み干し、刃に砥石を当てる。

決着の時は近い。私は気合いを入れ直し、彼を追って草原へと足を向けた。


草地につくとリオレウスは此方に背を向け、降りてくる所だった。

まだ私の存在に気がついていない。
一気に間合いを詰め、蛇剣を振りかぶる。
着地の間際に振り下ろされた刃は、尻尾を捉えその半ばから切り落とす。

激痛にのたうつリオレウスに走り寄ると、息の続く限り斬撃を繰り出し続けた。


空の王者と呼ばれた存在は今、私の目の前に横たわっている。

自分の状態は酷いものだが、兎にも角にも狩りは終わったのだ。

一対の火竜を討伐し、私はギルドから来た迎えの馬車に乗って沼地を後にした。



その荷台に揺られながら、私は自分の狩りに対するスタンスを考えていた。

小回りが利き、その場その場で柔軟に対応出来る片手剣。
ずっと使ってきたし、その扱い易さは変わらない。

しかし、今回の狩りで使った大剣でも同じ様に動くことが出来た。

憧れ、でも技量不足で諦めていた大剣。
それをこれからは使っていこう。
大剣に必要な知識、不足している技量。
それらを埋めるには、様々な経験を積んでいくしか無いのだから。


荷台の心地良い振動を子守歌に、達成感と新たな目標を褥にして、私は眠りに落ちていった…