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pink galaxy

カラフルで光るものがカラス並みに好きです。

(∩^o^)⊃━☆゚.*・。


前回:第一幕
前々回:開幕まで

第二幕です。
前々回のあらすじで言うと、6~10の場面ですね。
起承転結で言えば、第三幕のクライマックスに向けた転・転・転。
そんな感じ。


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第一幕はスカルピアがトスカを「ああしてこうして手に入れて~」と独白するシーンで終わりました。
第二幕はスカルピアの部屋で始まります。

スカルピアがご飯を宮殿の自室で食べていると手下(スポラッタ?だっけ?)がやってきて、トスカを尾行してカヴァラドッシの別荘を捜索したも、アンジェロッティは見つからなかった旨を報告しました。

このシーンでまず気になったのは夕食は本物なのか?ということ。
カチャカチャというナイフとフォークの音はしっかり聞こえてて、まあマイクで拡音してるとは思うんですけど、あらかじめ録った音にスカルピアが動きを合わせてるのか、スカルピアが実際に鳴らしてる音をマイクが拾ってるのか。
リアルさで言えば後者が好ましいとは思うんですがなんせ遠かったので全然見えませんでした。
オペラグラス代をケチったもので…。
どうなんでしょうね。

怒ったスカルピアに死刑だなんだ脅されていると、スポラッタがアンジェロッティは見つからなかったけどカヴァラドッシは逮捕したと言います。
スカルピアはすぐに連れてこいと命令。
カヴァラドッシを問い詰めるも全然吐きません。
むしろスカルピアを馬鹿にしている?とも思える軽快なリズムと声で知らぬ存ぜぬと歌っていました。
個人的に気に入ったのは、カヴァラドッシが「笑える」という意味だったか、「ハッハッハッハー」みたいな感じで笑う?歌う?ところ。
スタッカートというか、キレのいい笑い方でした。
私も合唱をほんの少しかじっていたことがあるのでわかるんですが、前後のつながりのない一音だけで狙った音階に当てるのって案外難しいんですよね。
どうしても上ずったり届かなかったりするわけで。
ハッという区切りの一音節でも正しい音階と余韻で、声ではなく歌だと認識させる技術はさすがだなぁと思った次第です。
ついにスカルピアは、拷問しろ!と命令。

ここでまた気になったのは「拷問官」という単語。
えっこの時代のローマには拷問を専門職とする役人がいたの??
トスカ自体劇ですからあまり内容を真に受けるのもどうかと思いますが、個人的に高校の時から世界史が好きなもので、そんなんいたっけ?とちょっと気になりました。
超簡単に調べたところ(ググっただけ)、フランスとイギリスにはいたみたいですが、イタリアは出てきませんでしたねぇ。
まあ機会があったらまた調べてみようかな。

本筋の続き。
拷問されるもまだ吐かないカヴァラドッシに業を煮やしたスカルピアはトスカを自分の部屋に呼びます。
第一幕では目の覚めるようなターコイズブルーのドレスを着ていたトスカはここでは真紅のドレスに着替えていました。
お祝いの場だったからでしょうか。
相変わらずキラッキラきらめいていて、あと胸元が…とてもあいておりました。笑
華やかな歌姫の風格を感じますね。
さて、恋人が拷問される姿は誰にも耐えられないことだとは思いますが動物的なまでに感情的で愛情深いトスカにはことさらきつい仕打ちだったでしょうね。
カヴァラドッシに口止めされているトスカは見ていて気の毒なほど部屋をうろうろとし、知らない知らないと繰り返します。
まあ警察じゃなくても「この様子じゃ知らないわけないだろう…」と思うくらいの動揺っぷりで、恐らくスカルピアも時間の問題だと確信していたのか余裕たっぷりでしたね。
トスカの腰にしょっちゅう手を回すくらい余裕がありました。この変態!
耐えきれなくなったトスカは拷問部屋のカヴァラドッシに「言ってもいい~~?」と悲痛な高音で訴えるも、カヴァラドッシは許可しません。
思えばカヴァラドッシの悲鳴もオーケストラに合わせた音程だったような。すごいね。

しかし予想通りトスカがアンジェロッティの居場所を吐きます。
何で言ったんだ!とトスカを怒鳴りつけるカヴァラドッシにナポレオンが実は王政側に勝利していたという情報が。
今更ですが、王政側というのは王による独裁的な恐怖政治を支持する側で、スカルピアがこれまで好き勝手やってこれたのもこの後ろ盾があったからです。
私はこの勝利をさっきとは別の戦いのことかと思ったんですが、後で調べるとどうも最初のが誤報だったという話らしい。
トスカを叱りつけることも忘れ、急に元気を取り戻すカヴァラドッシ。
スカルピアはぐぬぬ状態、腹いせにカヴァラドッシに死刑を言い渡します。
彼が連れて行かれた後、トスカはスカルピアに必死の命乞い。(カヴァラドッシのね)
激しいビブラートが涙声に聞こえて、まさに泣!って感じのトスカ。
片方ずつならともかく歌と演技を同時に行うすごさに感動したのでした。(何度目だ…)

畜生スカルピアはトスカに「体と引き換えにカヴァラドッシを助けてやる(要約)」と言います。
隣の席のお子様には刺激が強いのでは…うふふ。
まあ私でも「んなわけないだろ!」と思ったのですが、取り乱したトスカはどうやらこの言葉を信じたよう。
スカルピアがトスカを信じさせるべく目の前で手下に「見せかけの死刑だ」と命令しました。
ここがすっごい怪しくてですね。
詳しい名前は覚えてないんですが、
スカルピア「◯◯伯爵のように見せかけの死刑だ!」
手下「承知しました、◯◯伯爵のようにですね」
スカルピア「そうだ!◯◯伯爵のように!」
みたいな、やたら◯◯伯爵を強調したやり取りをしていまして、私的には「これは◯◯伯爵は殺されたんではなかろうか…」と思ったんですよね。
まあその答えは最後まで明かされなかったんですが、怪しいのなんの。
そんなこんなで見せかけの死刑を命じた後スカルピアがトスカに迫るも、トスカはその前に国から逃げ出す通行許可証をくれと言う。
スカルピアはイライラしつつこれを飲んで、舞台の奥の方で許可証を書きにいきました。
トスカはその間どうしようーーと右往左往するのですが、机の上にあったスカルピアのディナー用ナイフが目に入り、後手に構えます。
(もうこの辺は音楽もどんどん盛り上がって観客も前のめりになる感じ)
許可証を持ったスカルピアの「トスカ!私のものだ!」という雄叫びにトスカは「これがトスカの接吻よ!」とナイフをぶっ刺しました。
ここは結末のシーンの次に有名なんじゃないだろうか。
オーケストラもジャーン!ジャーン!ジャーン!と盛り上がりっぱなしで、私の席からほぼ唯一見える楽団員の中でシンバル担当の人が頑張っていました。
私の貧弱なボキャブラリーでは盛り上がりが伝わらないでしょうが。
とにかくすごかったです。

動かなくなったスカルピアにトスカは蝋燭で弔いの儀式をして、静寂の中そっと部屋を後にしました。
音楽もここではさっきまでの音量が嘘のように静かで不穏なメロディーが流れるだけ。

ここで第二幕了。
起承転結の転まで来た感じ。
結に向けて全てのお膳立てが終わりました、という脚本の上手さを感じますね。
初見の人でも多分第三幕に向けて心の準備をしなきゃなって思う構成だと思います。
また休憩が入ったんですが、早く第三幕が見たい!!と思わせる引きです。
とても良かった。


第三幕に続く。