不倫夫が契約していた部屋
私の最初の結婚生活が
夫の不倫をきっかけに壊れるまでを書いています。
再構築を決めてから
お互いを気遣いながら過ごしましたが
あまり
思うようにいかず
そうしている間に
タケシの水面下不倫がはじまりました。
行動は慎重になり
言い分けは巧妙になり
様子はおかしい
でも
証拠が無いんです。
それで私は
タケシが借りていた部屋を
見に行くことにしました。
その日は、仕事を定時で切り上げ
実家に行き、車を借りました。
近場で乗られてるだけの小型自動車
ペーパードライバーだった私も
すっかり運転に慣れました。
三
不倫マンションは
タケシの実家に近いエリアにあり
私が暮らす場所からは
車で約25分〜30分
電車でも行けますが
駅から少し離れているため
車で動く方が楽でした。
マンションの周辺を一回りしてから
目の前の公園に車を止めて
外から観察する。
キレイな賃貸マンション
エントランスホールにロックはなく
建物内に入ることができました。
マンションの郵便受けを確認してみる
タケシの姓は見当たらない
『解約したのかな…』
気になったポストをのぞいていると
後ろを人が通り過ぎて
振り返ったら
エレベーターに向かって
あの女が歩いていたんです。
私はポスト前のゴミ箱から
捨てられたチラシを適当に掴み
エレベーターを待つ
不倫女ナナコを追いかけました。
三
斜め前に
女っぽい服を着たナナコが立っている。
チラシを読むフリで私は下を向いているから
こちらを見ようともしない。
エレベーターがきた。
乗り込んで
ナナコが③を押した後に
私は別のフロアのボタンを押す
3階に着くまでが 長くて長くて
息を吸ったり吐いたりする音で
私だと気付かれそう
頭の中にドクドクと
血が行ってる気がして
緊張で吐きそうでした。
3階に着き、ナナコがおりました。
扉が閉まりそうなタイミングで
私も外に出て
静かに追いかける 三
ドアノブに鍵を差し込んでいる
ナナコが見えた。
思い切って
私は声をかけました。
「〇〇ナナコさんですよね?」
「〇〇タケシの妻です」
不倫女は細い目を開いて
顔を引きつらせました。
「……」
蛇みたいな顔
黙ったままで、何も答えません。
メモ
不倫女は嘘をつき慣れています。
言ってることを信用したらダメです。
それから
黙っている時は
反省しているのでも
驚いているのでもなく
だいたい
言い逃れの作り話を考えていますからね。
つづきます
Sara