偏見

 

ー偽りの家族ー

 
 「4年前まで風俗嬢として働いていた」
 
 いきなりの母によるカミングアウト。
 
 私はこの言葉を聞いた時”悲しい気持ち””複雑な気持ち”が混ざり合っていた。
 
なぜなら父の職業が私立学校の上層部であり、普通の家庭よりお金を多く貰っていたからである。だからお金がないという事がよく理解出来ていなかった。
 
 ではどうして母は風俗で働いていたのだろうか。
 
 答えは簡単「私の教育費家族の幸せのため」
 
そしてその今までの偽りが一瞬の出来事で崩れ落ちてしまう。
 
何が起きたのかは後日書くことにして、父親が回変わったりと家が複雑にも関わらず、高学歴を勝ち取れた私の生育歴を書くことにしよう。
 
その前にまず言わせてください。
 
「家庭を支える為に風俗や水商売で働いているみなさん、子供に隠したいと思うでしょうが、いつかきっと受け止めてくれます。そして必ず貴方の味方になってくれます。だから心配しないでください、貴方は一人ではありません。」
 

ー生育歴ー

○一人目のお父さん  (実の父親)

 
西暦1998年に私は女の子として生まれた。
 
生まれた瞬間から父親は居なく、約3年もの間シングルマザーの子供として育って来た。
 
父親が居ない理由は”私がお腹に居る時に離婚”したからであった。
 
母から父の話を聞く時は、大抵マイナスな話しか聞かない。
それもそのはず、彼はDV癖が凄かったり、母のお財布からお金を盗むような人だったからである。
それに加え当時16歳で妊娠した母に対して”産んでくれ”と頼んでいたのに、いざ出産が近づくと「その子供は俺の子か?」などと平気で言う人だったのである。
 
こういう背景がきっかけで、母は”父と離婚して自分が育てていく事”を決意したのであった。
 
 
しかしその裏側では「母が風俗で働いていた」
 
 
大好きなお母さんへ
 
辛い素振りを一瞬でも見せなかったから何も分からなかったよ。
 
ママが一生懸命稼いだお金は絶対に守り抜くし、
 
今後は私が一流の企業に就職してノウハウを得て、
 
最終的にはお母さんが今経営しているお店を大きくしてみせるからね。
 
大好きだよ。そしてごめんね。本当にここまで育ててくれてありがとう。
 
娘より
 
 
 

つづく……