俺は弱い人間だ。
勝てば喜び、負ければ悲しむ。
勝ちたいとは思うが、負けたいとは思わない。
だが、どうだろう。人間どもよ。
俺ら人間は、負けた時から学ぶことの方が多いと思わないか?
もし勝ち続けていたら。
俺ら人間はこんなにも色んなタイプの人間に分かれていただろうか?
負けることがあるから俺ら人間は、分かり合える事があるはずだ。
勝ち続けたやつにはわかるはずもない、この味を。
いーや。わかってもらっては困る。
さあ立ち上がれ、負け組共!
負けたっていいじゃないか。
生きているのなら。
「THELOSER」~THEコウタ・初ライブを忘れるな!~#7
THE負け組の初ライブ。
いよいよ当日になり、俺らはライブハウスに向かうため1台の車に揺られていた。
車内ではこの日演奏予定の曲を流し、タバコを吸いながら車を走らせた。
アドレナリンが出ているのかナイーブになっているのか
皆、タバコの本数も増え車内は真っ白だった。
ライブ本番前には、リハーサルがあり
数時間前にライブハウスに入らなければならない。
俺らは少し早く到着してしまった。
近くにあるパーキングに車を止め、歩道をあるいた。
地下にあるライブハウス。
近づいていくにつれて
俺らよりも先にリハーサルしている他のバンドの音が漏れて聞こえた。
高まっていく緊張感。狭くなっていく歩幅。
建物の前に立ち、音のする方へ歩いた。
ドアを開け薄暗い廊下。
地下に続く階段。
それを降りると廊下のいたるところにポスターやステッカーが貼ってあった。
正面の奥に黒くて分厚そうなドアがあり
音はそこから漏れて聞こえてくる。
近づくにつれはっきりと聞こえてくる音。
ドアを開けると爆音が心臓を叩いた。
あの時を思い出した。
このタバコ臭さと薄暗い空間に爆音。
カケヒ。あの時バンドをやると決めてから
どれほど時間がたっただろう。
ついにきた。この時が!
ここからが始まりだ。やってやる。やってやるぞ!
そう思った。
しかし
りゅーた、、、?
白い。顔が薄暗くても分かるほど白くなっていた。
そして減量中のボクサー並みに頬がこけていた。
ちなみに俺らのバンドは化粧をしたり白塗りをするようなバンドではない。
明らかに様子がおかしい。
確かにリハーサルをしているバンドはうまかった。
訳も分からない言葉を言って、何かを確認しあっていた。
俺らはまるで中華料理屋の厨房に連れてこられた原始人のようで
何か作業している人間を目で追うしかなかった。
いったんタバコを吸おう。
俺らは荷物を置いて地上に出た。
おそらく俺らのリハーサルはこのバンドの次。
その前に一旦落ち着こう。
タバをコ吸えば落ち着くはずだ。タバコを吸えば、、、、。