『万引き行為の末、裁判になったAさんの症例です。』
情報が欲しくて駆け込んだ初めての
『家族会』
そこで
支援センターの方が
スクリーンに資料を映しながら
いきなり始まった家族向けの研修に
私は、固まりました。
な、なにこれ・・・![]()
私の住む兵庫県には
前頭側頭葉変性症の家族会があります。
前頭側頭変性症とは、四大認知症の一つ。
人格変化や行動障害、失語症、認知機能障害、運動障害などが緩徐に進行する神経変性疾患です。
情報の比較的多いアルツハイマー型とは違っている症状に
苦しむ家族にとって
本人に寄り添いたいのに
どう対応していいのかの
情報がまるでない
まずそれが大きな悩みなんです。
ネットで検索すれば
ざざー-っと病気の情報は出てくるけれど
一つ一つの症状に対する家族の対応方法までは
どこにも載ってないんです。
言葉の意味を失い、会話が出来ない。
お風呂に入りたがらなくなり
甘い物ばかり食べるようになり
夜中なのに、外に出ようとする。
こうして並べたら、そう大変じゃなさそうですが
こないだまで何でも一緒に共有できていた家族が
徐々にそうなっていって
日々の生活の中で
私達の常識は、まるで通用しないんです。
悲しい気持ちをあらわにしても
もう、気にもとめてくれない。
我が道を行く行動は、まるで別人格。
怒鳴り、悲しみ、叫んでも、こちらは一人。
何にも届かない、変わらない。
病気なんだから。
分かっているのに。。。
母に少しでも寄り添いたい。
母の頭の中で起こっていること教えてほしい。
これから、起こる困難にもうまく対応してあげたい。
先の見えない暗いトンネルを
ひたすら走るしかなかった頃、
情報が欲しくて駆け込んだ
初めての家族会で
私は耳を疑うような
ご家族からの悲痛の叫び
を聞くことになりました。
他人の車に傷を付けて帰ってきた
デイサービスでのわいせつ行為
万引き行為の末、留置所に身柄拘束
精神病院で投薬の末、寝たきり
・・・
うそやろ?
震えました。
急に息苦しくなりました。
怖い。
言葉を失うことに悲しんでいる自分は
まるで心が付いていけませんでした。
自分はこれから何をすればいいのか
知りたかっただけなのに
これから先予想される困難の大きさが
自分の想像をはるかに超えていて
生きた心地がしませんでした。
あんなに可愛いらしいお母さん
が
これから先どんな人になっていくのか。
もうあかんかも。。。
介護サービスの利用。
もはやそういう枠の中で納まらない世界でした。
そして母
も
この家族会の1年後には
万引き行為が始まり
とても辛い想いをさせました。
家族やろ?
なんとかしなさい。
スーパーでも
警察でも
施設でも
病院でさえも
どこででも決まってそう言われてきました。
わかっています。
頭では。
何とかせなあかんといつも向き合っています。
戦っています。
だからどうかせめて
『自分の家族やったら・・・』
そう想像力を持って言葉を選んでほしい。
その少しの想像力があれば
それだけで
救われる部分がきっとあるから。
病気以外のところで
苦しむ家族が少しでも悲しまずに済むことを
ただ願うばかりです。

