私が秘書になりたての頃のお話。
とある会社の秘書様から私宛に電話がありました。
なにやら烈火の如くお怒りのご様子が、受話器からも伝わってまいります。
秘書様「まず、あなたのお名前教えていただけるかしら?」←もはや血圧140超
make「makehishoと申しますが・・・。」
秘書様「そう、makehishoさんね。○月○日に送っていただいたファックスの件なんですけど!」←血圧150
make「はぁ。確かにお送りしてますが」
秘書様「そちらのクリーンコピーがまだ届かないのですが、もちろんご発送の手続はされていますよね?」
make「いえ・・・・・。ですが・・」
秘書様「あらあら。どういうことでしょうか?そういうことは当然ではありませんか?そちらの会社はどうなっているんでしょう、全くホントに!!!!」←血圧200
makehisho、秘書様の鼻息ため息で飛ばされそうです。
電話を切りボスに確認しましたところ、ボス同士で「ファックスで了承」ということになっていたそう。
ですが、おやさしいボスは
「そんなに秘書様が怒っているなら、近くなんだからmakehishoさん持っていってあげなさい」
「は、はい・・・」
早速秘書様にお電話しました。
make「先ほどの件ですが、双方の了解があったということを確認しましたが、近所ですので、これから私がお届けします。」
秘書様「あらそうでした?(一気に血圧平常値) そう、ではお待ちしておりますわ。受付では必ず私をお呼びくださいね」
書類を持って到着。
そして受付で秘書様を待つこと5分。
ゴージャスキラキラピンヒールミニスーツの女性(推定40代)が私の前に立ちました。
ひぇぇぇぇっ・・・こわい
書類を渡しそそくさと退散しようとする私を待合椅子に座らせると、なんと私にやさしく説法お説教を始められました。
秘書様「今回は特別なケースで、私の申したようにするのが普通ですのよ。makehishoさんはまだまだ経験が浅くていらっしゃるようですから、こうやってキチンとお話させていただいたほうがよろしいかと思って。次回からはお気をつけになられますこと?」
(なんかトゲでてませんかい?)
(そもそも普通って何ですか?)
(それは秘書様の普通であって、臨機応変に対応すればいいのでは?・・・)
もちろんココロの叫びであって、口には出せませんでした。
ダッシュで帰った私の涙目に気付いたボスは
「せっかく善意で持っていったのにねぇ。そんなにピリピリしなくってもいいのにねぇ。」
数年前に秘書様の会社もお引越しされ、接点もなくなりましたが、今もお元気におツボネさまとして後輩の育成にご尽力なされていらっしゃるのでしょうか?
今となってはほろ苦い懐かしい思い出です。