食堂かたつむり 小川糸
ヤブノナカ読了でかなり精神を削ったので
次は心温まるハートフルなものを読もう!と
思い立って読んだ。
恋人にぬか床以外のものを全て持って
夜逃げされた主人公は、声まで失い
出身地の田舎へ帰る。
そこで、おかんの飼っている豚を世話しながら
「食堂かたつむり」をオープンさせる。
人は、いつも澄んだ気持ちでなんかいられない、
と思う。
みんな、濁り具合の程度の差こそあれ、
心の中を満たしているのは泥水だ。
中略
だから私はその泥水をきれいに保つため、
なるべく静かにしていようと決めた。
水の中で魚が動き回れば濁った泥水に
なってしまうけど、心を穏やかにしていれば、
やがて泥は下に沈み、上の方はきれいな水になる。私は、きれいな水でいたかった。
と言う文章がとても印象的で。
人間に優しさや正義感などのポジティブな
感情だけあれば、全人類穏やかに暮らせるけれど
そうはいかない。
特に人と関わるとそれ以外のネガティブな
感情で渦巻く時もある。
それでもなるべく静かに、距離をとっていれば、
きれいな水となる。
そんな生き方が面白いかどうかは別として
賢い生き方ではあると思う。
また、おかんが飼っていた豚のエルメスを
余すところなく全て捌き、みんなで食べたシーン
改めて我々は命をいただいていると
しっかり感謝するべきであると考えさせられた。
ただ、ペットと養殖豚は別だろという
ツッコミはした。
かなり読みやすい小説で、心があたたかくなるので
冬にはいいかも!
