【ネット記事評】技術者やビジネスのリーダーたちが希望的観測で創造する”欠陥社会” | 是徒然也

是徒然也

LifeをHackするためのKnow-Howを共有するブログです。

日々読んでいるネット記事では近年
特にAI絡みのニュースや評論の記事をよく眼にする。

特に身近な話題では生成AIによるディープフェイクなど
違法な動画・画像の作成がネット上で横行しておいたりする。
 

包括的なAI規制で欧州が大筋合意──新技術がもたらすリスクに歯止めはかかるのか | WIRED.jp

上記の記事では2022年にはオランダでAIによる個人の権利侵害に関わる事件
(誤認による不当なペナルティ、学生への人種差別など)が発生しており
AIの技術的活用に対するルール作りが急務となっている。
その最中で欧州ではいち早く包括規制案が大筋合意された結果として
違反者(法人)には巨額の罰金(総売上の7%)が科されるそうだ。

 

AIに限らず、新しい技術の創造とその活用の展望については

それを発明や開発をした技術者やビジネスのリーダーたちがその時々で
新しい技術が生み出す経済利益や社会的便益が齎される未来について
熱っぽく語る姿を様々なメディア媒体を通じて眼にする機会に
ネットの普及や発展した今の社会では頻繁に遭遇する。

しかし我々、一般市民はといえば
そうした技術者やビジネスのリーダーたちが語る未来予測と
その数年後あるいは数十年後に到来した未来の現実社会において
その未来予測から著しく外れていることによく気付かされる。
それは多分、インターネットという技術においても同様だ。

 

インターネットは「世界を合理的にする」と思ったら「クレイジーな人間」が仲間を見つける手助けをしただけ —— ビル・ゲイツ氏 (msn.com)
上記はもはやひとりの巨大IT会社のリーダーではなく
世界経済フォーラム(通称:ダボス会議)においても
オピニオンリーダーたる存在を示すビル・ゲイツ氏への
インタビュー内容の記事だ。

ビル・ゲイツ氏はインタビューの中で次のようなことを語ったとのことだ。

  • インターネットが普及し始めた頃、この世界はもっと合理的になるだろうと思った。
  • ただ、実際には「クレイジーな人々」が仲間を見つけるのに使われている。
  • 当初、人々が情報を探すために責任を持ってインターネットを利用すると思っていた。

ビル・ゲイツ氏が語ったこれらの言葉には、他の”偉大なる”リーダーたちと同じ香りがする。
それは我々一般市民と同じような認識を持つに至ったということだ。
しかもビル・ゲイツ氏はインターネットの普及に尽力した偉大なビジネスリーダーだった。
ビル・ゲイツ氏が当時描いていた未来予測を軽々しく翻したことに絶句する。

そして他の”偉大なる”リーダーたちと同じと考えさせる要因として

なぜその時に「悪意と非合理性による技術の活用」について考えなかったか?

である。これは詭弁としか言いようのないことだ。
過去に遡れば、原子爆弾でさえ同様の産物と言えるだろうし、
インターネットの祖先とも言える無線通信技術に関しても
”正しく”利用されるとは限らないものだった。
(傍受や偽情報拡散などは戦時中も行われていたことだ。)


そのような「過去の教訓」について不勉強であるはずはないし、
技術者ならば発明・開発対象のルーツとなる技術に対する知識や造詣は
当然ながら必須となるものだ。

すなわち
使う側の人間性に大きく依存する「技術」というものは
これを使用するためのルールやモラルを事前にしっかりと定め
そして継続的に改善し更新する努力が必要となるのだ。
結局は行政的なルールが「技術」とは必ずセットでなければならない。

 

技術を発明・開発したりビジネスに利用するリーダーには
間違いなく社会性とモラルを備えた者でなければならない。
その理由は、創造した「技術」が社会でどのように使われるのか
はたまた「技術」が社会や市民に与える悪影響はあるのか
を市民を含む利害関係者と共に議論を重ねるだけではなく
行政当局とルール(法律)やガイドライン(規約)作りの道筋をつける
ための努力を怠らずに推進するだけの義務感と使命感を持たなければ
ただの「独り善がり」という社会悪にしかなりえない。

行政側にも新しい技術の発明や開発の弊害を監視する機能が
ますます重要になる時代であることを考えさせられもした。