新緑のグラデーションが織り成す
山あいの景色が目の前を次々に
そしてカーブと共に見せる姿を変えて
僕らはそのカフェへと向かう。
車窓からの眺めは
子供の頃によく感じていた冒険心を
ほんのりと脳裏に蘇らせては
その景色によって染み渡る郷愁感が
今の自分(の年齢)を実感させる。
5月にしてはほんの少し冷たい風と
否応無く降り注ぐ太陽の熱線とが
相容れない季節感に思い至らせる。
カフェに着けばいつもの笑顔と
温かな心配りが散りばめられ
落ち着きと非日常性が混ぜ合わさった
皆の小さな別荘にたどり着く。
季節に合った地物の野菜や食材。
子離れしたと思しき愛犬連れの夫婦に
旧き楽しきアンティーク・カーや
大きな体躯を傾けて停まるバイクの
乗り手と見られる格好をした男達。
想々の人々が同じ空間で心身を休め
多忙な日々を忘れるひと時を共有する
沢山の幸福に満ち満ちた場所。
ここはそんな人々が愛して止まない
片道一時間も惜しくはないカフェだ。










