ここ数日、新たに冶具やら道具の制作に追われてます。

これがないと、次の作業に移れないのもあって。

木工以上に鍛冶屋って冶具を必要とするんですよ。

焼いた鉄は素手では触れられませんからね。

 

 

 

 

これは、鉄のホゾを作るための冶具。

テノンスゥェッジブロック。

13mmの丸棒の先端に、9mmと6mmのホゾを作るためのものですね。

母材に穴を開けて、ホゾを通してリベットで止めるっていう方法を多用してるんですよ。

 

このホゾを作る冶具はいろいろと作ってみましたが、いずれもうまくできていなくて。

使い勝手が悪かったり。

やはりスプリングで跳ねるようにしたほうが使いやすいなと。

 

作り方はこの動画を参考にしました。

 

 

この動画ではヘッド部分に炭素鋼S45Cを使っているようですね。

うちにもS55Cのデッカイ塊があるんですけど、ロータリーバンドソーでないと切れなくて。

仕方ないので、SSの32mmの丸棒を鍛造にして作りました。

炭素鋼ではないので、すぐに潰れるかもしれませんが。

 

 

他にもいろいろと道具を作らないと仕事が先に進まないという訳で。

リベットセッターを新たに作ってる訳ですが、そのリベットセッターを作るための冶具を作ったり(笑)

毎度の事ながらややこしくて、面倒な作業ですが、いつかやらないと、理想とするものを作る事ができないので。

一度作っておけば、長い間使う事もできる訳ですから。

 

ちなみにリベットセッターって何?という方のために。

 

リベットの丸いアタマを作るために、鉄板に丸い凹みを作ったりする訳ですよ。

洗面台の脚の制作で、今まで以上に大きいリベットで固定したいのもあって、新たにリベットセッターを作ってる訳ですよ。

柱状のリベットセッターはよく使うので、だんだんと潰れてきてますね。

 

 

作り方っていうか。こんな感じで、まず丸く凹ませる道具を作るんですよ。

 

 

今回は16mmの丸棒をグラインダーで丸く削ったんですけどね。

 

 

あとは鋼材を火入れして、ひたすら叩く。

 

 

 

人によっては、エアコンプレッサーに接続して使うエアチゼルのビット。

エアチゼルの先端を切って、同じように丸く凹ませて、エアーで動くリベットセッターを作ってる人もいますね。

ホットリベットにはあれいいねと。あれなら早くて確実に締め上げる事ができますね。

あれもいつか作りたいなと。

これまで、ハンマーの使い方もあって、丸いアタマのリベットばかりですが、四角いアタマのリベットも作る事はできます。

デザイン的にもう少し手間をかけるようになったら、そんなリベットも作りましょうか。

 

 

 

他には、鉄パイプを絞ったり、角鋼の両面に均等なハンマートーンを残すための冶具を作ったり。

 

 

 

裏側には、アンビルの角穴、ハーディツールホールに差し込むようにしてる訳です。

 

 

 

 

冶具の話のついでに、過去には、こんなものも作りましたよ。

 

これはというと・・・。

 

 

こんな感じで、万力に噛ませて、丸棒をコイル状に巻き付けて曲げていくための冶具。

このコイル状のものが最終的にどうなるかといえば

 

 

わかりますか?

コイル状になった丸棒を縦に切っていくと、こんな感じで、同じ直径のリングを作る事ができるんですね。

便利でしょ?

 

 

 

 

洗面台の脚の長さも調整できました。

今日の鍛冶屋の工程は午前中で終わりにします。