人間グーグルたまりdiary

八日目の蝉/角田光代

【あらすじ】
不倫相手の子供を妊娠し、
堕胎したことで子供が産めない体になってしまった主人公が
不倫相手の子供を誘拐し、子供を育てながら転々と逃げ回る。
偽りの母子の先が見えない逃亡生活、そしてその後のふたりに光はきざすのか。


文庫を少し前に読んで、映画も観に行ってきました。
原作はもちろん、映画も素晴らしい仕上がりで、感想はひと言で言い表せません。
エンドロールが終わってもしばらく席から立てなかった。。。

ストーリーに出てくる男性を徹底的にダメに描くことで、
女性の母性や強さみたいなものが際立って見える作品。

子供を産んだら母親になれると思っていたけれど、
母親って何だろう、母性って何だろう。
冷静に考えれば誘拐した主人公は悪いのだけれど、
主人公が子供のことを本当に愛しているのが伝わってくるから
単純にそれを責めることができない。。。

誘拐された子供の方も、愛された記憶が残っているから
本当の家族の元へ戻ってもうまくいかない。
でもその愛された記憶に後々救われることも事実で。
彼女の混乱や苦しみもまた、痛いほどわかる。

でも、子供を誘拐された実の母親だって、子供に愛されたい、
家族になりたいと願っているのに、うまくいかなくて辛い。

それぞれの視点に立ってみると、みんな辛くて悲しくて、
気持ちが理解できるから難しい。

それでもそれぞれ家族を愛そうと必死でもがきながら
前に進んで欲しいなって思いました。

主人公が誘拐した子供に
「あなたがいれば何にもいらない。全部あげる。」
と言ったシーンで、母親の無償の愛の凄みを感じました。
母親ってすごい。