
銭江晩報は24日、中国・中山大学の研究者がヒト受精卵の遺伝子の改変を世界で初めて実施、オンラインの学術誌「プロテイン・アンド・セル」上で発表したことで、学術界で倫理論争を巻き起こしたとする、科学誌・ネイチャーのウェブサイトの報道を伝えた。
同大学の遺伝子機能研究院・黄軍就副教授の研究チームは、CRISPR/Cas9という技術を用いて、受精卵内にあるβサラセミアを引き起こす可能性のある遺伝子の書き換えを試みた。研究に用いられた受精卵はいずれも正常に出生できないもので、現地の医療機関から入手したものだという。
研究グループは、実験結果によりゲノム編集から遺伝子療法技術までの間には明らかな障害があり、臨床利用に向けてはなおも多くの明らかにすべき問題が存在することが分かったとしている。
この研究は学術界に倫理論争を巻き起こした。ハーバード医学大学院の幹細胞生物学者George Daley氏は「これはマイルストーンであるとともに警告だ」、「この研究結果は、ゲノム編集によって疾病遺伝子の完全除去ができると考えている人に厳しい警告を示すものだ」としている。
本研究の支持者からは、出生前に致命的な疾病リスクを取り除くことで、胎児の未来が開けるとの意見が出ている。一方、反対者によれば改編したゲノムは遺伝することになり、将来思わぬ結果を招く可能性があるとのことだ。
黄氏は、全世界に研究データをシェアすることを望むとするとともに、関連の研究論文はかつて「ネイチャー」や「サイエンス」に掲載を拒絶されたことがあると明かし、倫理的な論争が原因の1つであるとの見解を示した。
(編集翻訳 城山俊樹)