今回の質問は、仕事から離れていてゆとりがあればこのようなことができるけど、仕事があって、自分の好きな生活ができない時にはどうしたらいいのかという事でした。



そんな事態ではないのだから、思い切って休みをとり、療養に取り組まないといけない場合もあります。しかし、それほどの必要がない時には、仕事をやめる必要はありません。1週間の中で、どこかにそのような時間をとればいいのです。安心して自分の気持ちを話をしたり、人の話が聞けたりできる場所があると、そこで元気を取り戻せるのでしょう。



うまく乗り切っている人は、そのような仲間や場所を持っているのだと思います。友達と電話をしたり、居酒屋で過ごしたりして、ストレスを解消させているのです。中井久夫という精神科医が、統合失調症で再発をしないで頑張っている人は、地域の中に何かしらよりどころになるような場所を持っていることが多いと言っています。私のクライエントで、再発もせずに何年も仕事を続けている人がいたので聞いてみました。そうしたら、その人はスコットランドの音楽が好きで、同好会みたいなものがあって、そこに出席しているのが楽しいと言っていました。



1週間のどこかに安心して、ストレスから解放される時間が取れるといいのかもしれません。そのような場所や仲間がいればいいのではないでしょうか。と言っても、それだけのゆとりが持てない人もいます。家族が心配してやきもきしている場合も多いです。



ところがよく理解できない家族が心配をしていると、その心配が上乗せされて、問題がどんどん深みに行く場合があります。一人の人の危機は周りの人の危機を誘発するのです。そこで周りの人が安心して受け止められるようにすることも必要です。キーパーソンとなる周りの人が「安心を贈る」ことが大切なのです。



本人が忙しくてできない時には、親とか奥さんとかが代わりに出てもいいのです。勿論、それだけ時間がかかりますが、家族がいれば、お互いに影響を与えていくのでしょう。



前にお話をしたクッキングハウスの精神保健講座があります。そこに参加して、自分の話をして、人の話を聴いているうちに、自分が楽になるだけでなく、家族が良くなってきたという話をしました。仕事を休んでいた旦那さんが仕事に行くようになったり、口を利かなかった息子が話をするようになったりするのはそのためなのです。





(筆:増野肇)