松崎さんがフライ級のチャンピオンを獲得されました。おめでとうございます。そこで効果があった<イメージの力>について述べられています。まったく同じことを精神医学の立場から述べたいと思います。

 

 今日も、クッキングハウスで精神保健講座を開催しました。何人かが問題を抱えておられました。お一人は、ここクッキングハウスで良くなっても、地元に戻るとそこは弱肉強食の世界でとても対応できないという事でした。もう一人の方は、良くなってきているが、時々、過去の辛い記憶がよみがえってきて、そうなるとどうしようもなくなり、数時間うつ状態で動けなくなると言われていました。

 どんなに回復してきても、すべてがうまくいくわけではありません。ちょっとしたことでつまずき、うつ状態に陥ることがあります。壁にぶつかると思考は後ろ向きになり、過去の記憶が沸き上がります。あの時のことが原因だ、親の育て方が悪かった、中学時代のいじめが原因だ。そのようなマイナスのイメージが甦ってきます。そして、そのままうつ状態になって抜け出すことができなくなります。

 そのような気分のときにマイナスのイメージを切り替えようとしてもどうこうすることはできません。原因を考えてそれを処理しようとすると、ますますこじれてしまいます。うまくいかないので、現在のうつ状態に上乗せされてしまいます。考えることで、そのネットワークがますます頑固になり強化されてしまいます。

 けがをした時、自然治癒力が働いて身体はそれを治そうとしていきます。しかし、せっかくできたかさぶたをいじればまた出血をして傷は広がっていくのです。しばらく、そこに触れずに、身体の自然治癒力に任せることが必要です。

 では、ただ我慢することでしょうか。そうではなくて、右脳を活性化することが大切です。体を動かしたり、歌を歌ったあり、深呼吸をしたり、いろいろありますが、その中でも一番効果があるのが良いイメージを浮かべることです。

辛い状況に陥った時に、楽しいこと、楽しいイメージを描くことができ、それを実践できるといいのです。そうすれば松崎さんのようにいい結果をもたらすでしょう。それがなかなかできない人は、サイコドラマのグループに入ることを勧めます。サイコドラマでは、グループの力が働き、自分では思いつかないことも、他の人のイメージを借りて思いつくことがあります。他の人の力を借りて体験することができます。



(筆: 増野肇)