松崎さんがクッキングハウスの紹介会に出て写真付きの報告を書いていますので、それに関連したことを書きたいと思います。


http://ameblo.jp/makebodysupportmind/entry-11963467843.html



黄色い暖簾を掲げた玄関が映っていましたが、あれは、松浦さんが高倉健の「幸福の黄色いハンカチ」に刺激されて黄色にしたそうです。30年前、ある精神科の先生に頼まれて長期入院の女性を病院から連れ出して外泊するのを手伝ってほしいと頼まれたそうです。その時、一緒に食事に行ったときに、彼女がひたすら食べることに熱中してあっという間に食べ終わったのを見て、入院生活での食事の環境を変えないといけないと思いついたそうです。

そこで、精神病の方たちが美味しくて健康にも良い食事をゆっくりと安心して食べられる場所を作ろうと考えて開いたのがクッキングハウスなのだそうです。

レストランとしてはお昼だけですが、メンバーの人たちのためには夜も食事を作っています。金曜日の夜だけは「ハッピーアワー」という名目で一般の人にも利用できるようになっています。



山梨のオリザ農園とか、長野の小谷村から有機農業で作られた野菜が送られてきているほか、全国からも美味しい食材が送られてきます。送られてきた材料を前にして、その味を生かしたレシピが紹介されます。



そのほかには、SSTと呼ばれる生活の技術を訓練する集まりとか「キミ子方式で絵を描く会」とか、私のサイコドラマ、また「精神保健講座」なども開かれています。最近始まったのが、心の病気を持つ子供を抱えた父親のグループです。家族会は母親が多く、父親の協力が少ないのですが、そのお父さんたちが集まって活動する会もあるのです。



私が医者になったころは、心の病気の人は精神病院での入院生活から抜け出す方法が無くて、10年以上も入院生活をしている人が多かったのですが、大きく変わり、入院しなくても地域でこのような場所をよりどころにして生活していけるようになってきたのです。これは大きな進歩です。このような地域の生活を支援する施設を開拓して日本の精神科医療を変えてきたのが、松浦さんをはじめとするソーシャルワーカーの人たちなのです。「精神化社会福祉士」と呼ばれています。



私は、そこで月に2回、お昼を挟んで美味しい食事を食べながら「精神保健講座」を開いています。一人の当事者の方に、「ルーテル学院大学で学生に教えているようなことをぼくたちにもしてほしい」と言われたことがきっかけでした。


 「精神保健講座」については、次回お話したいと思います。



 (筆: 増野肇)