私たちは日頃、多くのコミュニケーションを言葉でしています。
しかし、言葉というものは便利な反面、とても厄介なものでもあります。
言葉では表現しづらいものもありますし、言葉の表現力の違いもあります。育った環境や文化によって言葉の概念が違う場合もあります。お互い日本語で話していて、会話が成立しているように見えても、お互いが使っている言葉の概念が違っていれば、話しても話しても距離が縮まるどころか、離れてしまうこともあります。
ですから、私たちは言葉だけでなく、言葉のトーンだったり、表情だったり、かもし出す空気感だったり、いろんな感覚を総動員して、相手を感じようとします。直接、スキンシップ(肌で感じる)をとるのも有効なコミュニケーションの一つです。けれど、実際スキンシップがとれるのは、子どもが小さい頃の親子か、男女間だけです。スキンシップどころか、家族は壁で仕切られ、それぞれのスペースで過ごすことが多くなり、お互いの気配を感じるのも難しくなってきています。
だけど、触れ合うというのはとても大切なことだと思うのです。
私は以前介護の仕事していました。不安なお年寄りにどんなに優しい言葉をかけるよりも、手や足をさすることの方が、安心を送るのに有効な場合がありました。お散歩に行く時、車椅子を押すのではなく、手を引くだけでどれだけの信頼関係が築けてことでしょう。言葉では伝えきれないものを、触れ合いを通して伝えていくことはとても重要なことなのです。
心の病を抱える30過ぎの息子と楽健法をする。
妻を亡くした父に娘が楽健法をする。
末期のガンを患っている妻に楽健法をする。
疲れた母の足に小学生の息子が楽健法をする。
年代も、立場も違って、どう言葉をかけたらいいか分からなくても、楽健法を通して、ぬくもりを感じて、身体が軽くなって、安心感を伝え合う。
こんな非言語のコミュニケーションをもう一度見直してみるのもいいのではないでしょうか。
(筆: ましのまりこ)