いつの間にか | One! 

いつの間にか

ボクらは、いつの間にか、
何かから離れて、
また新しい何かに寄り添って生きている。

それは、自らが選んだかもしれないし、
時間という問題によって、選ばされたかもしれない。
むしろ、ほとんどのことは、選ぶこと無く、
運命として、ただ流されているだけ。

今という瞬間は、
いつも過去になり、
未来は無価値のように、
存在している。

自分の感情にだけ支配され、
相手を理解することも、
相手を大切にすることも、
相手を思い遣ることも、
ほとんど自分にとっての作用であり、
そして、自分にとってさえ、何も齎さない。

過去という残像は、
幾度と重なる今によって、
意味を、勝手に書き換えられる。
あたかも、自分にとって、
大事であるかのように、
美しさという残酷な形容によって、
自己陶酔される。

その酔いなど、幻想に過ぎないのに。

書き換えられた、データは、
誰にも思い出されること無く、
どこかに消えて行く。

それこそ、事実であるのに、
まるで幻のように、逝ってしまう。

どこかに帰りたいけど、
帰ろうと思う場所は、
帰りたいという心によって、
そんな場所は本当はなかったのに、
まるで在ったかのように、思い出され
ただ望郷する。

そして、自分が帰りたい場所にも、
勝手に書き換えた本当の場所にも、
帰ることなど、できないことを、
ボクらは知っている。

いつも、さよなら、しか、存在しない。

その哀しみの果てに、
その日が沈みいく地平に、
決して、何も無いのに。

太陽と月。
月は、真夜中に、
知らない顔で、自分だけの夜を過ごす。

朝は、そんなことも、知らずに、やってくる。