「何でもわからないことは先生に聞きなさい！君達はそのためにここに来ているんだから！！」

以前勤めていたとある塾の校長が、口癖のように生徒たちに言い放っていたセリフ。

未熟を通り越して無能な講師は子供たちの前で、さも自分が完璧な先生であるかのように振舞おうとする。

学ぶことに対して、『知らない・わからない』という自覚こそが、質の高い学びの原動力となるはず。

何でも教えてしまう姿勢は最悪だ。

だから、勉強の苦手な幼い生徒は騙せても、利口で鋭い生徒からはその浅薄な言動は簡単に見透かされ、一発で軽蔑の対象になっていた。

教育相談や進路指導の場で保護者に対しても、決して『わからない』とは言わない。

正解がない迷うこともありうる進路指導でも、会社への評価ばかり気にし自分に都合の良いことばかり言って家庭を振り回す。

絶対その子に不要な講座であっても、平然と勧めて契約させる。

適当に言うことに慣れっこになっていくうちに、罪悪感なく丸め込める話術を磨いてしまっている。

もうここまでくるともはや詐欺師の域。

ホントに慣れって怖い。

僕がこれまで出会ってきた先生で、特に素晴らしい先生は、すべてを知っているではなく、むしろ知らないことについて自覚していることをオープンにできる方々だった。

もちろん、そんな先生には指導力もあった。

何より生徒の信頼がやはり厚かった。

新学年を迎えるにあたり、塾探しや転塾も考えているご家庭も多いはず。

塾や教室のカラーも大事だが、重要なのは担当教科に精通しているのはもちろん、先生の人間性も可能な限り見ていってほしい。

なぜなら、無能な先生でも塾って平気で雇い続けるから。

間違えても、校長だから、主任だから、〇〇長だからってだけでエラい先生、良い先生なんて思わないように気をつけてほしい。

『わからない』という自覚こそが学びの原動力