2月初頭に、全く予想だにしていなかった、祖母との別れがありました。
わざわざ言葉にしなくてもいいかな、と思ったのですが、周囲の方々の言葉が自分に向かって言われているような気がして、自分なりの整理が必要だなと感じました。
89歳の祖母はここ20年、風邪以外の病気もせず、本当に健康で、誰もがこのまま100歳を迎えると信じていました。
しかし、その想いが裏腹に、当たり前に接し過ぎていて見えていなかった部分もあったようで、突如私たちの思わぬ形で向こう側の世界に祖母は行ってしまいました。
引き寄せの法則が好きな私は、この事実がどうしても受け止めることができず、祖母を死に追いやってしまったのは私のせいなのか…と考えては苦しくなっていました。
この世の中は、すべて自分の思考でできている、と考える引き寄せの法則は、大事な人の死の眼の前ではものすごく残酷です。
あるスピリチュアルな本には、肉体がなくなっただけ、魂は永遠、と書いてありますが、それは本人との別れを癒してくれる言葉ではありませんでした。
23年前、同じく祖父が突如旅立ちました。
私の誕生日を祝ったその夜、喘息の発作で息を引き取った祖父の死を受け止めることは長年できなかったと思います。
その死をなかなか受け止められなかったのは祖母も同じだったと思います。
思い返すと、祖母はいつも私や娘である私の母のことを大事にしてくれていましたが、ことあるごとに「早くおじいちゃん、迎えにこないかなぁ」と話していました。
「なんでこんなに長生きなんだか。おじいちゃんはおばあちゃんのこと嫌いなのかねぇ。」なんて切なそうに話すおばあちゃんになんて声をかけたものか…と考えることもありました。
それでも、祖母はあの日、旅立つつもりはなかったんだと思います。
葬儀の後、祖母の部屋に行くと、その様子は恐らく最後に家を出た日のままで、書きかけのメモ、帰ってきてからゆっくり読もうとしていた母からの手紙がこたつの上にあり、「2月13日」と次の予約日が記載された歯医者の診察券がありました。
祖母は、少なくとも明日までは生きているつもりだったんだ、と思うと、とても切なく、悲しくなり、この別れをどこにぶつけたらいいのだろうか…と帰ることのないその時間にただただ涙を流すだけでした。
でも、この悲しみは私だけでなく、祖母と同居していた叔父夫婦や私の母、親戚一同も感じていて、みんながみんな、無念に思っていました。
あの日、出かけるのを止めればよかった。
あの日、出かけるのについて行けばよかった。
あの日、携帯電話を持たせればよかった。
あの日、もっと早く気付いてあげればよかった。
あの日、もっと遠くまで探しに行けばよかった。
もっと早く、見つけてあげればよかった。
そもそも、祖母の容体の変化に、誰か気付いてあげられれば…
どんなに悔やんでもどうしようもない、もしもの話が出てきて止まらない。
それくらい、みんな無念だった。
誰も悪くなかったし、誰も誰かを責めてないのに、叔母だけが「申し訳ありませんでした…」と親戚に頭を下げ、最後まで祖母に「ごめんね、ごめんね」と泣いている姿を見るのがとても辛かった。
考え方さえ変えれば、
祖母はようやく、23年経ってようやく、大好きな祖父に再開できたと思うし、
亡くなる前日まで本当に元気で大きな病気もしなかったから、最後まで苦しまずにこの世を旅立てたはず。
もう十分生きた
そうやって、何度も祖母は話していたので、この世に未練もきっとない。
そう思えば、これでも良かったんだと思えるはずなのに、なぜだか拭えない虚しさと悲しさが私の中にはありました。
葬儀でお坊さんが、
「通夜の夜は泣いて過ごしても、故人との想い出を笑いながら話して過ごしてもいいんです。どんな過ごし方でも良いから、必ずしてほしいことがあります。それは、この人生で故人に出会えたことに感謝することです。その後、浄土に迷わず行けるよう祈りを送りますので、皆さんも合わせて祈りましょう。『安心して旅立ってください』と、故人がこの世に未練を残さないように送り出してください。」と話していました。
その話を聞いて、
私が仕事で活躍すること、充実した生活を送ることを喜んでいてくれた祖母に安心してもらうためにも、私は前を向いて、これまで通りの生活を送るべきだと思うんです。
悲しんで引きこもってしまうことを、きっと祖母も望んでいない。
だから今日は、すでに決まっていた約束はそのままに友達と会ってきました。
友達に会えば元気になりますし、笑顔も生まれます。
涙も流しません。
でもふと胸に切なさだけが残ります。
何故なんだろう…
そう思っていたら、教員を務める親友が、「クラスの子どもの読書感想文がとても良くて表彰された」とふと話し出したんです。
私の祖母のことも知らないはずなのに。
「おじいちゃんが亡くなった話の作品に対して、おじいちゃんにさよならを言えた私でさえ辛かったのに、さよならを言えなかった主人公はもっと辛いはずだと思う。もっと、こうしたかった、ああしたかったって想いがたくさんあったはずなのに、それを乗り越えた主人公はすごい。だから私も辛さを乗り越えて頑張りたい、って内容で」
なんとなく、ああ、この話は私に向けたどこか遠いところからのメッセージなのかもしれないと感じました。
晴れない胸の中の思いは、突然の別れに対して、祖母に何も伝えられなかったからだなぁと。
親戚もみんな、祖母が大好きでたくさん感謝しているのに、元気だからこそ、きちんと言葉にできなかった感謝の気持ちがたくさんあったからなんだなと気付くことができました。
悲しみばかりで、祖母への感謝の気持ちに気付けずにいたからモヤモヤとしていましたが、自分の心の中で祖母へ感謝を告げることができて、ようやく落ち着いた気がします。
ありがとうの言葉を、伝えなかった後悔がこんなにもあることを実感して、今まで以上に、ありがとうを大切にしたいと感じた夜でした。
ようやく一区切り。
空にいる祖父母にも届くよう、輝いて活躍していきたいなと思います。