相談して嫌な思いをする。再三今日はどんなことでお悩みですか?あなたの健康を考えると休職すべきです。
ああ、そういう暴力か。
プロのカウンセラーにはそれ相応の金額がかかる。いちいち自分の気分を晴らす為に、対価が大きすぎることにも馬鹿馬鹿しい。
何のために働いているのか。
仕事を辞めるくらいなら死ぬ。
あいつが死ね。
そう告げて電話を切った。掛け直してもこなかった。もう、二度と頼ることはないと思った。薄っぺらい、希薄な人間と対応すると言う暴力に刑期をつけよう。死ね。
「せやなぁ、まあこれでもやるわ。」
いきなり、神のような存在が現れゆずを残していった。冬至にどうぞ。どうやら今日は冬至だったらしい。そのゆずに何故か魅せられて、柚子風呂に入った。
柚子の香りに不思議と心は和らいだ。
「自分、そういうんでええやん。相談っちゅうのは諸刃の刃や。弱ってる時はせん方がええ時もあるもんやで。」
続けて神は述べた。
「しかし自分偉いわ。同じやり方でやり返したろとか考えてないもんな。そんなんなかなかでけへんもんやで。性根が美しいんやな。久しぶりに感動したわ。」
それ以来ゆずを見ると思い出す。そして行き詰まった時には柚子風呂に入った。
ああ、これが神の教えだったのか。