これが恋だったらいいのに。あいたくてあいたくていつも走ってあいに行くから、あなたが好きなラズベリーのパイは箱の中で僕に抗議をする。毎日抱き合っているのにどうしてこうも渇望するのか、わからないまま僕は今日もあなたの香りを求めて、出口のわからない森を彷徨うんだ。そんな僕を見てぼんやりと微笑んで甘いお菓子を口に入れるあなた、本当はなにを見ているの?夏の空はどこまでも広く遠く儚くて僕は今日もあなたの腕の中で途方に暮れてしまうんだ。