あいたくて

あいたくて




いつも

走って

あいに行くから、




あなたが好きなラズベリーのパイは

箱の中で

僕に抗議をする。




毎日抱き合っているのに

どうしてこうも渇望するのか、




わからないまま




僕は

今日も

あなたの香りを求めて、

出口のわからない森を

彷徨うんだ。




そんな僕を

見て

ぼんやりと微笑んで

甘いお菓子を口に入れるあなた、

本当は

なにを見ているの?




夏の空は

どこまでも

広く

遠く

儚くて




僕は今日も

あなたの腕の中で

途方に暮れてしまうんだ。