『壬生義士伝』(浅田次郎作)は面白いと1週間前に聞いて、
さっそく本を読み、昨日読み終えました。
主人公の吉村貫一郎は新撰組の実在の人物の話だそうです。
私は、江戸までの日本史は大好きなんですが、
江戸末期から、昭和に入り、第二次大戦までの歴史は、
あまり関心がありませんでした。
でも、これを読むと、江戸の末期の侍の身分(特に下級武士)は
あってないようなものだったんですね。
主人公は、足軽の身分で、文武とも優れていたら、
お手当も増えるところが、お役についても、お手当はそのまま。
現代版、名目上、課長に昇格し、給料はそのまま、仕事は増える・・・。
みたいな感じです。
プライドがあるから、困った顔を微塵もださず生活をしないといけない。
「武士はくわねどつまようじ」ですね。
でも、幼い子供にまでそれをさせるのは忍びない、
まして、身分制度がある以上、どうあがいても足軽は、足軽のまま・・・。
ということで、主人公は脱藩をすることになり、やがては
新撰組に入ることになります。
一番泣けたのは、貫一郎が死ぬ間際に、亡くなった自分の
父親と対話する場面です。
貫一郎「脱藩したことをどうおもうか?」
父「自分にはその勇気がなかったが、貫一郎にはそれがあったということだけじゃ。」
最後に父は、貫一郎を褒めるのです。
それをきいて貫一郎はようやくこころから安らぐことができたのです。
他にも泣ける場面は多々あります。
なんでこんなに泣いたのか・・・
自分の大切なものをいちずなまでに守りとおそうとする姿、
必死なんだけれど、でも、周囲の人の気持ちも察することのできる
優しさ、いざというときの強さ、そして、純粋さに、畏敬の念に打たれました。
(追伸)
感動しながらも、この時代は、今の時代とよく似ているように
思えます。
日本を仕切る政府の足並みがそろわず、ガタガタしています。
将来の展望も示してくれず、闇の中を進んでいるようなきがします。
明治時代の気骨のある政治家がでないものか?