「あんな風に手首効かして、弾きたいんだけどな~。腕上がらないんだよね。」
合唱祭で、友達(特に男子君たち)の演奏を見て聞いて、
ちょっと羨ましそうな末っ子。
事故から12年過、
普段困るほどではないけれど、やっぱり麻痺の後遺症はあるようです。
 
右手の指は、なめらかには動きません。
時折肘が外側に引っ張られる不随意の動きが少しあるので、
無意識にけん制しているのでしょう。
 
鍵盤を、這うように弾くのです。

これが彼の弾きかた。
ちゃんと曲を奏でられるのですから、十分ではないかとも思います。
 
リハビリ的見地から考えれば、十二分に回復していると言われるでしょう。

でも、
色々と気になるお年頃になったのでしょうね。

悲観しているわけではないけれど、
自分の状況を容認し難いジレンマを感じているようです。

今までは気にしていないというか、気づいていないというか・・・な感じだったので、
ようやく気にしだしたのね・・・と、
これも、心が成長している証なんだと、思いました。
 
「見た目はちょっと違っても、これだけ弾けるんだから、すごいことだと思うよ。」
と、言ったら、
「うん、そうだよね。」
と、嬉しそうに、でも複雑な面持ちで、言葉少なに答えた末っ子。
 
そうそう、色々悩んで、
心も大きくなあれ♪