7月のバレエの発表会。
演目は、バレコンサートと「白鳥の湖」全4幕の予定です。

娘が、学校とバレエとの両立に苦労しているということを
以前「ダイジョブカナ・・」の記事に書きました。




今も練習スケジュールは、なかなかのもんです。

でも、生徒の多くは基本的に学生ですから、
試験や、学校行事などは優先。
各自調整してお休みを申し出ても文句は言われません。

(…というか、文句言われたら辞めさします!けど)

娘も、「全部練習出なきゃ~」から、
「学校優先で、出来るだけバレエの時間を捻出する」に気持ちを切り替えることができ、
大分やりくりにも慣れてきて、頑張っているようでした。




しかし、
先日、迎えの車に乗るやいなや
「なんか・・・・疲れたかも…」
と、涙をこらえて一言。

「じゃ、我慢しないで泣いちゃえば。」と私。
ついでに「それ、泣け泣け~。」とちょっと囃し立て…。

娘は「もおぉ~」と、泣き笑いしながら、暫くタオルを顔に押し当てて、泣いていました。

色々疲れがたまってきたのでしょうね。
こんな時は我慢しないのが一番・・・。



そして、
落ち着いてから、話を聞くと。

疲れた理由は、役どころにプレッシャーを感じているからのようでした。

「ワルツは楽しい。4羽もまあ頑張る。問題はカトル~何で私なの~?」

 
「カトル」とは、「パ・ド・カトル」
白鳥の湖第3幕のお城のパーティーの場面の、
女性4人(多分貴婦人)の踊りなのですが、さりげなく難しいらしい。

しかも、このカトルの配役が、
第二幕のオデット役のお嬢さん、第四幕のオデット役のお嬢さん、ご自分でバレエ教室を持っている方
・・・そして娘の4人。

趣味的スタンスの娘は、
体型的にもバレエ向きでなく、正直太いです。
踊りも、彼女が積み上げた年月分の上達はしていると思うけれども、
他の主役級のお嬢さんたちや先生してる方と比べたら、正直言って雲泥の差……。

踊ってる本人が、一番それを感じてしまって。
もどかしさに涙が出てきたようでした。

「振りは頭に入ってても体がついてかないし、音に遅れるし、何か変だし~。何か辛い・…(涙)」



なるほど・・・白鳥の中に、醜いあひるの子が混じった感じなのね・・・。


さて、どうしたものか・・・?
実力の違いはいまさらだし~自覚して、自分なりに頑張ればいいじゃないかと慰めるべきか?
それとも・・・。
娘本人が、出来ないと悩むのを、無理にさせることもないのかもしれないかな?
と、私の頭の中でもいろいろな考えが巡りました。




「今から、役降ろしてください。って、言ってみる?」

「・・・・・・・・・やだ。」

涙を拭いて、そう娘は言い切りました。

ぁ・・・そう・・・・。やっぱりね。


諦めの悪い性格だったわよね~(誰に似たんだっけ?)。
聞くだけ野暮だったか。

でも、内心ホッとしました。




さて、そんなべそかき娘でしたが、
次のレッスン前には、
前回の発表会のビデオを食い入るように観て、振りを確認。
「行ってきまーす」
と、車からするりと降りて教室に向ってスタスタ歩いていきました。





たかが習い事の発表会。
されど発表会。


いろんな思いをして、頑張っているんだよね。
きっと、その過程が、大事なのかもね。

ガンバレあひる娘!
母あひるは、こっそり応援してるからね。