「温泉でも行こうか。」
今年の初め頃、夫が何度も言ってました。

ここ何年も温泉どころか家族で旅行も行ってません。
だからなのか・・・

でも、何で温泉なの?
手術後の(かったっぽ胸が無い)妻に向かって、
よく言えるよね~。
この胸で、
温泉の大浴場に行けってか~!
わけわからんし~。
っていうのが私の心の本音でした。





夏。

数年ぶりに、みんなで私の実家へ行くことになりました。

その時に、温泉でも・・・とまた言い出した夫。
気乗りしない私。一応調べたものの、温泉は却下して、実家に行きました。



そして・・・海へ行った帰り道
以前、実家に行くと恒例で出かけていた日帰り温泉施設へ、行くことに。
海と実家の丁度中間辺りにあたりにあるので、
海に行った後は、大抵ここで温泉に入ってから実家に帰っていたのです。



・・・私、
あれだけ拒否した温泉ですが・・・

入ってしまいました。


海には入らなかったものの、潮風と汗でべとべとなのが耐えられなかったし、
みんなが温泉に入るのを、1人で駐車場で待ってるのはもっと嫌~。

知ってる人に会うのだけは嫌だったけど、
知らない中なら・・・まあいいや。

そう、他人のこと、案外注目してないものだもの。
胸が無いのを見れば、=乳がん。
そのくらいに認知度も高い。
女同士だもの、それ以上の詮索はしないよね。
他人の目を気にするかどうかは、
自分自身の心次第。
そう思うことにしました。

ロッカールームは人もまばらで空いていたし。
タオルを一枚胸に当ててると、胸はあんまりわかんないかも・・・。
まあ、体を洗う時は、えいや!ッて感じでしたけど。
湯気も立ってるし、湯船に浸かったらもっとわかんない・・・多分。


結論。
何とかなるじゃん!
(・・・ただし、知り合いが誰もいないことが前提)


実はその時一番悩んだのが、胸よりも、「カツラ」をどうしようかということ。
化学療法終了から約2ヶ月。
少しずつ生えてきているけれども、まだダチョウさんの頭に近い。
こっちの方が目立つような気がする・・・。

でも、汗だくの頭に耐えられませんでした。
もう、人目は、どうでもいい!(←なんかやけっぱちだったかも)

不思議なことに、カツラの脱ぎ着は見られたくないけれども、
脱いじゃえば「ベリーショート」?に見えなくも無い。
なんとなく何とかなってしまいました。




でも・・・・・・・
一緒に入った娘は、どう思ったのかな・・・・・・。

一緒に並んで体を洗い、洗髪の分?早く洗い終わった私が先に湯船へ。
洗い終わると、すぐ私の隣に来て、並んで浸かった娘。

本人の私が気にしてない風だから、大丈夫と思ってくれたかな?
ちょっと嫌だったりしたんだろうか?

自分のことよりも、娘の気持ち、
そっちの方が気になります。

そのうち、あのときどんな心境だったか、聞いてみようかな?
いやいや仕方なく・・・とか言われたらショックだな~。







さて、温泉から上がり、男子チームと休憩所で合流。

夫は、私がカツラも脱いで入ったことに驚いていました。
・・・てか、温泉自体にも入らないと思っていたみたい。

でもね、一番わからないのは、
「温泉行こう」って言ってた夫。
一体どうしたかったのよ。

もっとわからないのは、
こういう人ともう20年以上夫婦でいる私自身なのかもしれない・・・・?