お庭に雑草のように咲くお花 Kīnehi (Bidens pilosa)
我が家では、お庭の一角にまとめて植えています。
そして、ハワイに伝わる植物療法ラアウラパアウでも使われています

日本でも雑草として生息しているキク科センダングサ属(Biden spp.)の植物。あの「くっつき虫(ひっつき虫?)」の種類です

このお花で、ティンクチャーを作りました

キク科センダングサ属(Biden spp.)の植物は、全部で230〜240種ありますね

その中で、ハワイに生息しているキク科センダングサ属(Biden spp.)の植物は、現在20種あります。1種は外来種、残りの19種は固有種です。
ハワイでは、この20種あるキク科センダングサ属(Biden spp.)のことをまとめて、Kīnehiキネヒと呼んでいます

そして、そのうちの1種の外来種を総称と同じKīnehiキネヒと呼び、残りの19種の固有種をKo'oko'olauコオコオラウと呼んでいます。
そう、つまり、こんな感じです



・外来種 kīnehiキネヒ(1種)
・固有種 ko'oko'olauコオコオラウ(19種)
ko'oko'olauコオコオラウは、日本でもハワイアンハーブティとして人気がありますね

外来種kīnehiキネヒ(1種)については、道を歩けば見つけやすい植物ですが、自然に交配して雑種や変異種が生まれていることもあるので、kīnehiキネヒ (Bidens pilosa)だと識別できるまで、安易に使わない方が良いです。日本でも、この白いお花のキク科センダングサ属の植物の変異種や雑種が存在すると聞いています

固有種ko'oko'olauコオコオラウ(19種)については、黄色いお花が特徴ですが、その辺に急に生えてくるような植物ではないので、もし外に咲く黄色いお花を見て、固有種ko'oko'olauコオコオラウかもしれない!と思っても、ちゃんと調べなくてはなりません

そして、19種の固有種ko'oko'olauコオコオラウの中でも、お花のサイズ、花弁の数や形やサイズ、葉のサイズや形や生え方が異なります。生息地も異なります。19種の固有種ko'oko'olauコオコオラウのうちのどれかだとしても、そして『ハワイ産』だと言われていても、どこの島のどこのエリアに生息したものかで種類が異なります。
また、固有種ko'oko'olauコオコオラウのお花は、同じキク科ハチミツソウ属の種類の雑草ととてもよく似ています。
キク科ハチミツソウ属の種類の雑草
ハワイに伝わる植物療法では、植物を種から育てることも、その学びの一部なので、外に生えているもの(特に雑種や変異種が増える植物については)を採取して使うことはありませんが、外に生えているものがko'oko'olauコオコオラウかどうか知りたいという場合、それを識別するのはなかなか簡単ではありません。
私も時々、「これはなんという植物?」「これはこの学名で合ってる?」「これは本当に固有種?」と聞かれることがありますが、パっとみて「全然違う」「固有種ではない」「この属名は合っているけど種が違う」というものもありますが、その生息地(ハワイというだけではなくハワイのどの島のどのエリア)にどのように生息しているのか、勝手に生えてきたのか、それとも、元々生えていたのか、どこでだれが栽培しているのか…、そして、植物の各部位が見える写真などの情報が必要です。乾燥ハーブではわかりません

ハワイに伝わる植物療法を学ぶ時、ハワイアンハーブのことをよく知ることはもちろん、それを識別する学びtaxonomyは大前提のお話

100%識別できなければ、毒性も十分にわからず、人の体に影響するので、かえって使うべきではないという考えです。
それはハワイの植物療法に限ったことではないと思います

ハワイに生息するキク科センダングサ属(Biden spp.)20種の植物の中でも、ネイティブハワイアンの人たちは、固有種ko'oko'olauコオコオラウをとても好んで、植物療法に使っています

19種ある固有種ko'oko'olauコオコオラウは、ハーブティーにすると色や風味が違うだけでなく、薬効も異なります。ハーブティーとして使わない種もあります。そして、ネイティブハワイアンの人たちは、この固有種ko'oko'olauコオコオラウを昔からずっと上手に使い分けています。
一般的にデトックス、浄化のためにお勧めされていますが、他のハーブと組み合わせると、さらに薬効が変わります

例えば…疲労回復には’ohiaオヒアの芽を、風邪には毒性を無くしたkukuiククイを、喘息には毒性がない’uhaloaウハロアの芽やお花を、ブレンドしたりします。
もっともっと昔のハワイでは、19種の固有種ko'oko'olauコオコオラウは、消化を促進するために、患者の年齢に合わせて、種類だけでなく、蕾、お花、茎など使う部位を変えて、お薬を作っていました

そして、何より、ネイティブハワイアンの人たちは、固有種ko'oko'olauコオコオラウや外来種kīnehiキネヒを使う時は、採れたてのフレッシュな植物を使います。採れたての新鮮な植物をハーブティーにするのが一番体に良く効果的で、美味しい。
No need to dry the leaves first – fresh leaves are healthier and they taste better.(葉を乾燥させる必要はない。フレッシュな葉は、より健康的で味も良い。)
ドライハーブにする必要がないのです。その習慣は、ハワイに伝わる植物療法ラアウラパアウでは、今でも続いています

また、ハワイに生息するキク科センダングサ属(Biden spp.)の植物(20種)は、強い太陽の光で、kīnehiキネヒの持つポリアセチレンが活性化するという性質があるといわれています。
※ポリアセリレン:白血病やその他の癌などの予防に役立つと言われている、生物活性をもつ化合物。
ネイティブハワイアンの人たちは昔から、キク科センダングサ属(Biden spp.)の植物(20種)を日中に採取したものを使うという話を聞いた時、もしかしたら、このことを彼らは知っていたのかもしれない!さすが
と思いました


私が作った外来種kīnehiキネヒのティンクチャーも、太陽の光が差す、日中お庭で採取したものを使っています

ただ、キク科センダングサ属(Biden spp.)の植物(20種)は、
It can irritate the bladder and kidney in high doeses.(高用量で、膀胱と腎臓を刺激する可能性がある。)
といった注意点があります。
常飲したい場合は、持病も含めて、専門医や正しい知識を持つメディカルハーブに詳しいセラピストに相談するのがよいと思います
