今回のブログは、ハワイの植物で作った『バッチ博士のフラワーエッセンス』<その1>の続きです。
1900年代、ビジネスチャンスを掴もうとハワイに移り住んだ外国人は、ハワイの伝統文化の中に、「フラワーエッセンス」が存在しないことを知り、ハワイの植物を使って、英国のエドワード・バッチ博士が開発した方法で、「フラワーエッセンス」を作ることにしたのです。
英国のエドワード・バッチ博士がバッチフラワーレメディを開発したのは、1930年代と言われていますが、バッチ博士は、1836年に、すでにイギリスで38種類の野生の植物と湧き水を使った「フラワーエッセンス」を作っていたと言われています。
そして、それ以来、英国のバッチ博士が開発した方法で作られた、ハワイの植物の「フラワーエッセンス」が外国人によって、次々と作られ、世間に流通するようになりました。
しかし、それらの多くは、「ハワイのフラワーエッセンス」「ハワイアンフラワーエッセンス」「ハワイのパワー、マナが宿ったフラワーエッセンス」といった、あたかもハワイ古来の伝統文化のように宣伝され、英国のエドワード・バッチ博士の名は伏せられていました。そして、現在もバッチ博士の名は伏せられていることが多いです。
ここで、一つ疑問なのは…
当時、ハワイの植物で「フラワーエッセンス」を作りたい!と考えた外国人たちは、ハワイ諸島に移り住み、まずは「フラワーエッセンス」を作るために、ハワイに生息する植物を勉強していました。その中で、ネイティブハワイアンの人たちにもアプローチをしています。しかし、その働きかけは失敗しています。
ハワイの「フラワーエッセンス」についての著書を出している、あるイギリス人は、ハワイに移り住み、『ハワイに「フラワーエッセンス」がないことを知り、イギリスの仲間とハワイの植物を調べ、イギリスのバッチレメディを作る方法で、”ハワイアンフラワーエッセンス”を作った」とはっきりと言っています。そこにネイティブハワイアンが介入した記録はありません。
また、アメリカ本土からハワイに移り住み、ハワイの植物療法の先生からハワイの植物について学んだ後、イギリスのバッチレメディを作る方法で、「フラワーエッセンス」を作っている人もいます。でも、「フラワーエッセンス」を作る過程には、ハワイの植物療法の先生は介入も協力もしていません。中には、ハワイの植物療法も、イギリスのバッチレメディも全く学んでいない人もいます
ネイティブハワイアンの人たちは、そういった外国人と一緒に、「フラワーエッセンス」を作ることはせず、協力することもしなかったのです。そして、現在も、ネイティブハワイアンの人たちは、「フラワーエッセンス」をハワイの伝統文化として作っていません。
ハワイの伝統文化やヒーリングが、外国人に簡単に利用されてお金稼ぎのビジネスにされてしまう…と警戒していたから、というのもありますが、理由はそればかりではありません。
実際、外国人のハワイ諸島へのビジネス進出は、ネイティブハワイアンの人たちにとっては脅威でした。当初、外国人に対して、気を許して歓迎していたネイティブハワイアンの人たちの中には、のちに自分たちの伝統文化がビジネスに利用されていたことを知って失望し、外国人とは話もしたくない、心を開かないと決意した人もいました。現在も、そのようなご先祖様の思いを引き継いでいるネイティブハワイアンの人たちがいるのも確かです。
でも、当時、全てのネイティブハワイアンの人たちが、「フラワーエッセンス」を作りたいという外国人に対して、全く聞く耳を持たなかったわけではありませんでした。
ネイティブハワイアンの人たちは、外国人が次々とハワイに持ち込んだ植物(外来種)を「きっと意味があってハワイにもたらされた植物だ!」と喜んで、とても熱心に観察・栽培し、ハワイの植物療法に使ってきた人たちです。
外国人が持ち込んだものに対して、それがネイティブハワイアンの伝統文化に取り入れられるものなのか、じっくり観察して考えて、答えを出していました。それでもネイティブハワイアンの人たちや植物療法の先生は、「フラワーエッセンス」を作ることはしなかった、ハワイの植物療法にそれを取り入れようとは思わなかったということになります。
なぜ「フラワーエッセンス」がネイティブハワイアンの人たちの心に響かなかったのか。
バッチ博士の「フラワーエッセンス」は、自然の草花のエネルギーを太陽の光を利用して水に転写したもの。
ハワイには、「フラワーエッセンス」を作るのに必要なもの(自然の草花、太陽の光、お水)が揃っているのに、なぜネイティブハワイアンの人たちは、それに魅力を感じなかったのでしょう。
メンタルケアのためのホ・オポノポノ Ho'oponoponoの存在
バッチ博士のフラワーレメディは、フラワーエッセンスを使ってメンタルケアをする自然療法ですが、当時、古代ハワイアンヒーリングの中で、ネイティブハワイアンの人たちのメンタルケアをするホ・オポノポノ ho'oponoponoがすでに確立し、実践されていました。(さらに、ネイティブハワイアンの人たちが口に入れるものは、ハワイの植物、ハーブを使った植物療法ラアウ・ラパアウ la'au lapa'au の専門家が指導していました。)
そして、「フラワーエッセンス」のようなメンタルケアに使われるツールは、ネイティブハワイアンにとっては、「ハワイの自然そのもの」であって、わざわざ別のものを作り出す必要がなかったのです
「ハワイの自然そのもの」がメンタルケアのツール
ハワイの自然そのもの…それは、魔除けのための Ti / Ki leaf ティリーフや nioi (Hawaiian chili pepper) チリペッパー、浄化のための Hawaiian sea salt ハワイアンソルトや olena/turmeric ウコン、地球を照らす太陽や月の光、私たち生き物を支える大地、天からの恵みの雨…。
ネイティブハワイアンの人々は、古代から、彼らの暮らし、生命を支えてくれている自然の一つ一つの要素に、神聖なエネルギー・パワー Manaマナが宿っていると信じてきました。
そのため、バッチ博士のフラワーレメディで使う、自然の草花、太陽の光、そして、お水、それぞれに、すでにパワー・エネルギー Mana マナが宿っているから、わざわざ「フラワーエッセンス」は作らなくてもよい、とネイティブハワイアンの人たちは考えたのです