昨日のハワイは、8月2日。日本では「ハーブの日」
私は昨夜、夕食後にハーバルティーを入れました。
ネイティブハワイアンで、ハワイのヒーリング、植物療法ラアウ・ラパアウを学ぶ仲間でもある友人がブレンドしてくれたハーバルティー。
女性らしさや隠れた魅力を引き出してくれる、その名も「Divine Feminine」
カレンデュラの香りがする、後味さっぱりで飲みやすいお茶でした
ところで、このハーバルティーをブレンドしてくれた友人は、ハワイで働く薬剤師でもあります。
薬剤師
Pharmacist ファーマシスト
Apothecary アポセカリー
実は、こんな風に「薬剤師」を表す英語は二つあります。
Pharmacist (ファーマシスト)
Pharmacist (ファーマシスト)は、現代の薬剤師の呼び名で、調剤薬局 Pharmacy(ファーマシー)で働いています。日本でもこの表記が使われているので、聞き慣れた言葉だと思います。
そして、薬剤師は、国家資格を取得している人だけが就くことができる職業です。薬剤師の国家資格を取るためには、大学の「薬学部」または「薬科大学」で薬剤師養成課程を修了したうえで、薬剤師国家試験に合格しなくてはなりません。日本でも同じですね
Apothecary(アポセカリー)
一方、Apothecary(アポセカリー)は…?というと、Pharmacist (ファーマシスト)同様、「薬剤師」を指します。そして、Apothecary(アポセカリー)が働く場所は、同じ単語、調剤薬局Apothecary(アポセカリー)です。
Apothecary vs. Phamacy
では、この二つの同じ意味を持つ言葉の違いは何なのかというと、それは、その言葉が使われていた「時代」が違うということです。
Apothecary(アポセカリー)薬剤師は、中世ヨーロッパで使われていた言葉で、のちに、Pharmacist (ファーマシスト)へ呼び名が引き継がれました。名前が変わっただけなので、その意味や役割は同じです。
一部の地域では、依然として、薬剤師をApothecary(アポセカリー)薬剤師と呼んでいます。
古風な呼び名、Apothecary(アポセカリー)。
ハーブを勉強する方やハーバリストの方なら、もしかしたら聞いたことがあるかもしれません。アメリカやヨーロッパの方がSNSのプロフィールに書いていたりします。
しかし、古い言葉だから…と、気軽に使えてしまえそうな言葉ではありますが、注意が必要です。
薬剤師を表す言葉は、時を経て、Apothecary(アポセカリー)から、Pharmacist (ファーマシスト)に変わったものの、その薬剤師としての役割や意味は、昔も今も変わっていないので、Apothecary(アポセカリー)薬剤師という肩書きを現代で使って、Pharmacist (ファーマシスト)=現代の薬剤師と同じと捉えられてしまうこともあるし、Apothecary(アポセカリー)薬局というビジネス名を現代で使って、Pharmacy(ファーマシー)薬局と思われてしまうこともあり得るわけです
アメリカ本土のハーバリズム協会やその認定校でも、Apothecary(アポセカリー)という表記について注意を促しています。例えばアメリカの場合、州によっては、薬剤師Apothecary(アポセカリー)、薬局Apothecary(アポセカリー)など、特定の単語を事業名にしようすることを制限している法があります。
ハワイ州では、薬局は、卸売処方薬販売業者ライセンス(固有の薬局法)の対象となる場合があります。そして、薬剤師と呼ぶには、日本と同様、大学の薬学部または薬科大学で薬剤師養成課程を修了した上で、薬剤師の国家試験に合格しなくてはなりません。
日本では、基本的に薬局の開設許可を受けていない場合は「薬局」
「薬局Apothecary(アポセカリー)」in Hawaii
ハワイには、ポリネシアンやネイティブハワイアンの人たちが築いたハーバリズム、植物療法ラアウ・ラパアウがありますが、植物療法ラアウ・ラパアウの「薬局」のみをビジネスにしている人はいません。昔から、植物療法ラアウ・ラパアウは、それぞれの家庭の畑で育て収穫したフレッシュなハーブ、植物を使って行われ、その手法やレシピが家庭内で共有され、伝承されてきました。
その後、ネイティブハワイアンのコミュニティの中に、診療所Healing Centerが設立され、ハワイのヒーリング全般(ロミロミ、ラアウ・ラパアウ、ホ・オポノポノなど)を、そのコミュニティの人たちに対して行なわれるようになりました。(身体的、精神的、スピリチュアル的なヒーリングをバランス良く行うのがハワイのヒーリング)
そのため、植物療法ラアウ・ラパアウの「薬局」を作る必要がないのでしょう。
そもそも、ネイティブハワイアンは、(他の先住民と同じように)後からその土地に入ってきた西洋人の影響を大きく受けてきたので、中世ヨーロッパで使用されていたApothecary(アポセカリー)という言葉を使う事自体、抵抗があるのだと感じます。