うらみわびの【息抜き

 

 

 

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旅のスタートは別れから

 

 

 『奥の細道』を行く

最近では新型ウイルスのせいで思うように外出ができませんね。

そこで家でも気軽に遠出した気分を味わうことができないかと考えまして、今回の旅に至りました。

 

選んだのはかの紀行文の名作、松尾芭蕉の『奥の細道』。

東京を出てひたすら徒歩で日本中を旅しながら、歌をのこしていく、という芭蕉の晩年の大作です。

今回は芭蕉がかつて歩んだ道のりに思いを馳せつつ、日本が育んだ自然を堪能できたらな、と思っています。

 

使うのは書籍『奥の細道』とネット、主にグーグルマップストリートビューを使いながら旅をしていきます。

 

 

 松尾芭蕉とは

 

松尾芭蕉は現在の三重県、伊賀国の出身です。

成人してから江戸に向かい、歌人として活動していました。

 

旅をしながら歌を詠む、というスタイルで、日本中を巡りながら『野ざらし紀行』、『更科紀行』などの紀行文をのこしていきます。

『奥の細道』の旅に出たのは1689年といわれています。芭蕉が亡くなる5年前です。

 

 

 『奥の細道』

芭蕉の作品の集大成ともいえる『奥の細道』は彼の魂の遺作ともいえるでしょう。

その心が「月日は百代の過客にして……」からはじまる、作中の「発端」という項にも描かれています。

 

当作は、芭蕉と弟子の河合曾良が共に旅をした紀行文。

江戸を出発し、東北、北陸を巡る旅です。

その距離は2400キロともいわれています。

旅での先々で芭蕉はその時の気持ちを歌にしたためています。

 

それにしても驚くべきは芭蕉の足の速さ

この旅は5カ月ほどで終了するのですが、そのペースが尋常ではないらしい。

伊賀国の出身でもあることから、芭蕉忍者説なるものもあるとか。

 

 

 旅立ち

春も終わろうとしている3月27日。

江戸・東京を後にします。

まずは北上。

荒川を渡ります。

 

 
旅のスタート!
荒川を渡って日光街道をひた進みます。
 
ここからの道のりを考えると、それだけで疲れてしまいそうです(汗)
芭蕉さんすごいな、って改めておもいます。
 
川を渡るとまた一つ進んだ、っていう気持ちになるんですよね。
なんだかんだいって川が日本を分けているように感じます。あとは山かな。
 

 辛い別れ

『奥の細道』を読んでいるとどうやら芭蕉は「よーし行ったるで!」って意気揚々と出発したのではないようです。
 
なかでも、旅先で死ぬかもしれず、江戸の仲間とも今生の別れとなるかもしれない出発前夜の集会では芭蕉も想うとかろがあったのでしょう。
 
 
千住といふ所にて船を上がれば、前途三千里の思ひ胸にふさがりて、幻の巷に離別の涙をそそぐ。
 
 
行く春や 鳥啼き魚の 目は涙
 
 
松尾芭蕉『おくのほそ道』 「旅立ち」
 
しばし別れを告げる江戸に対して「幻の巷」とまで言っています。つまり、もう自分にとっては帰ることができるかどうかも分からない場所となった、ということですね。
人生何があるか分からない、というのは今も変わりませんが、当時は今以上に「死」というものが身近にあったのかもしれません。その分、「生きる」ということに対するありがたみがある、という考え方もできます。
 
興味深いのは旅たちに先立って別れを惜しむ芭蕉の気持ちを歌では鳥や魚に喩えているところ。そうそう、季節は春、それも当時は桜が散っていくころなのかな。過行く春と住み慣れた町を去る自分自身を重ねているのでしょう。
 
その証拠にこんなことも書かれています。
 
 
上野・谷中の花の梢、またいつかはと心細し。

 
松尾芭蕉『おくのほそ道』 「旅立ち」
 
 
芭蕉が住んでいた近くの上野・谷中は現在でも桜の名所として知られています。
上野桜木という地名もそれをあらわしています。
 
芭蕉にとっては慣れ親しんだ桜の景色とも彼はお別れを告げたのですね。
 
 
次回は栃木県 室の八島を訪れます
 
 
 
【参考】

 

 

 

 もう一句

 

花の雲 鐘は上野か 浅草か

 

 

芭蕉の俳句を研究する高柳克弘さんは著書『芭蕉の一句』のなかで「『花の雲』は視覚によって、『鐘は上野か浅草か』は聴覚によって捉えた表現」と指摘。

 

つまり、句のなかで味わいが変化していく、ということですね。俳句の奥深さに気付かされる句でした。

 

ちなみに皆さんは春にお参りに行くなら上野派ですか浅草派ですか?

私は浅草で隅田川の桜を見たいな。

メトロで一本なので両方行っちゃうのもありですね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 今日の一曲♪

 

『HPBtoU!』(2020)

 

(歌:NOW ON AIR 作詞:結城アイラ 作曲:伊藤賢)

 

 

 

本日、地球も1歳年をとりました。

そんな素敵な日にこれまで支えてくれたみんなに、そばにいてくれた人に、世界の誰かに、「ありがとう」を届けよう。

 

今気づいたのですが、作詞は結城アイラさんだったんですね。

 

 

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

 

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