7月1日の野球、巨人vsDeNAの試合をBS日テレで見ていました。終盤にDeNAが逆転したのも盛り上がりましたが、解説の桑田真澄さんの野球哲学をあますところなく聞けて幸せなひとときでした。

 

うらみわびの「きょう考えたこと」第16回。 今回は将棋がテーマです。

 

 

 将棋が今アツい!! 7大タイトル戦の1つの棋聖戦。挑戦者の藤井聡太七段と渡辺明・棋聖の対局。先月の28日。藤井七段が渡辺・棋聖に勝利し、2勝目を収めた。これで悲願のタイトルまであと1勝、大手をかけた。

 今回のタイトル戦が注目されている要因の一つは、藤井七段がタイトルを獲得すれば、史上最年少のタイトル保持者となるからである。(現在の最年少タイトル保持記録は屋敷信之九段(42歳))

 私も小学生の頃より将棋をはじめ、中学では部活動にも打ち込んだ。県大会予選突破まであと一歩という悔しい思いもした。今回は将棋の魅力について少し語りたい。

 

 

 相手を尊重する姿勢

 将棋は相手と向かい合って行う1対1の頭脳スポーツである。私は将棋をあえてスポーツと呼んでいる。余談だが将棋は本気で行えば、1日で体重が数キロ減る。

 将棋は相手がいなくてはできない競技である。したがって、はじめは必ず一礼ではじまり、終わりも必ず一礼して終わる。将棋は戦型を含めれば常に一期一会。その一局一局に感謝して行われるのである。

 

 先が読めそうで読めない

 将棋は「先を読むゲーム」というのはよく言われている。先見性のもった指し手を行い、相手の差し手を「読む」のが将棋の醍醐味だが、これがなかなか難しい。この難しさは持ち駒の存在だ。将棋とチェスは似て非なるもの。フィールドの大きさがまず異なるが、持ち駒が使えるのが将棋の特徴だ。そして将棋では、持ち駒は基本、駒の動ける場所ならばどこでも置ける。相手陣にいきなり置いてもOKなのだ。(二歩に注意! 二歩に好手あり) この持ち駒の存在で手のバリエーションは一気に広がり、考えるべきことも増えるのだ。

 

 感想戦って?

 将棋でユニークなのは感想戦。これは「戦」という文字を使うが、決して戦うわけではない。試合後にお互いの良かったところや悪かったところ、「ここでこう指したらどうなるんだろう」などと意見を交わすのである。将棋は後腐れを残さないのだ。

 

 

 持ち時間8時間??

 将棋は考えるスポーツ。無限に考えるわけにはいけないので、お互い持ち時間が設けられている。部活で行うようなものだと、持ち時間が一人10分~1時間くらいがメジャーか? ちなみにプロだと8時間なんていうのも!! これは1日では終わらない。日をまたいで行われるのだ。

 ここでも余談だが、私が中学生の時にお世話になったプロ棋士の方は、1日目が終わって、その帰路で電信柱に体を打ち付けて捻挫されました。頭の中は将棋のことで一杯だったそうです。

 

 良い手は存在しない?

 将棋はお互いに1手ずつ指していくわけであるが、好手かどうかはその場では分からなかったりする。試合の分かれ目は必ず存在するのだが、何が良い手だったのかは結果論でしかないのだ。

 一方で、悪い手も結果論ながら存在する。どちらかといえば、好手かどうかはかなり曖昧であるのに対して、悪手はかなり分かりやすい。指した瞬間に「やっちゃった!」となる。

 

 将棋は「良い手を指す」、というよりは「悪い手をいかに少なくするか」という心持ちが大切なように感じる。これは人生においても通ずるところがあるのではないだろうか。

 

 野球では完璧に捉えた当たりが野手に撮られてアウトになったり、当たりそこなったゴロが内野を抜けたりする。将棋でもこのような妙がある。

 私も何度も経験しているが、好手で勝ったよりも悪手が少なくて勝った、ということが多い。これは、単に悪手が少ないだけでなく、序盤でミスをしても、後半はミスをしなかったならば勝率は高い。そして将棋でおもしろいのは、後半のミスほど命取りなことだ。完全に負けを覚悟していたのに、相手がうっかり攻め間違えたり、駒が一枚足りなくて寄らなかったり。(王が倒されなかったり)

 やけくその一手が相手を惑わせることもある。高等戦術だが、ミスを誘う手、というのもあるのだ。これで形成が逆転することもある。

 公式戦にもなると心理戦だ。盤面でも戦っているし、生身の人間同士も戦っている。私は常にポーカーフェースを装っている。そしてあたかも「先をよんでいる」風にして、やけくその1手を指せば、試合は紛れたりもするのだ。

 

 

 時間の使い方に注目!

 最後に、これからプロの方の試合などを見る際には時間の使い方にも着目してほしい。先の28日の対局では、藤井七段が序盤で時間をたっぷりと使った。この序盤が注目だ。野球で言えば先発ピッチャーの立ち上がり、いきなり失点しないように神経を使っているのだ。お互いの駒がぶつかると本格的に合戦がはじまるが、序盤は持ち駒で不利にならないようにケアしながら戦いを進める。ここで時間をしっかりと使って「間違いの少ない」最善の手をプレーヤーは考えているのだ。

 将棋は傍から見たら地味なゲームであるが、その奥は深い。最近では見る専の人もいるそうだ。野球のように大まかにルールが分かれば十分に楽しめる。試合の随所に溢れるドラマを堪能してみるのもよいだろう。

 

 

今日の1曲♪

『冒険でしょでしょ?』 (歌:平野綾 作詞:畑亜貴 作曲:冨田暁子)(2006)

歌詞を聴くと、もうハルヒ一色ですよね。Aメロが好きです。

 

 

いつも読んでくださり、ありがとうございます。

 

 

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