ustreamによる音楽配信については、いろいろな問題点があるものの、それは徐々に一般化し始めている。
「ASAYAKE」などのヒットで有名なフュージョンバンド カシオペアのキーボディスト 向谷実氏は鉄道オタクとしてのほうが今では有名かもしれない
彼は積極的にustreamを活用し、プロのミュージシャンがレコード会社に依存しない音楽活動をする上での課題を検証したり、ネットを利用して離れた場所での音楽の同時演奏など模索している。
twitterで彼の音楽活動及び鉄道オタク活動がつねにつぶやかれ、ワタシの大きな関心ごとになりつつある……あと何年かするとワタシもカメラを持って駅に出かけていたりしてw
http://www.mukaiyaclub.com/
http://www.ustream.tv/user/MinoruMukaiya
http://twitter.com/#!/minorumukaiya
11月2日
この日の夜、PCを立ち上げてtwitterをチェックしていたら、なにやらえらく興奮した向谷氏、これからなにかustreamでやるらしい。
ustreamを開始ちょっと前に立ち上げると、向谷氏が下を向いてパチパチとなにやらやっている
おや?
と思うとどうやら爪を切っているようだ。ミュージシャンにとって爪切りは非常に大事な行為w
数分その映像が流れ、「さてと」とカメラを見た向谷氏ビックリw
「あ、やべー、始まってたよ」
と、和やかな雰囲気で始まったustreamだが、いきなり缶ビールを口にし、なにやら興奮している様子……意味わからんと思いながら見ていると、おもむろに携帯で中西圭三に電話。急にテレフォンショッキングをはじめたw
「あなた」のヒット(もしもわたしが家を建てたなら~)の小坂 明子には電話口で歌を歌わせセッションを実現……よく電話であわせられるなぁ(通話のタイムラグを考えるとかなり難しい)
中西氏は電話に出なかったのだが、Tスクウェアの和泉宏隆(Key)との電話での会話の中で、だんだん何を興奮しているのか見えてきた
その日の昼間、坂本龍一氏がシアトルでustreamによるライブの無料配信をしたことに興奮していたようだ。
http://www.j-cast.com/2010/11/01079678.html
「これは本当に歴史的な1日だよ!」
そんなにすごいのかぁ?と残念にもそれを聞き逃してしまったワタシ的には、もうその話に付き合うしかなかった。
すごいのはライブが終わりustreamの配信のサポートで現地に行っていた現慶應義塾大学教授の古川享氏とデジタルステージの平野友康氏と直接電話で話すことに成功したこと
もともと向谷氏は古川享教授とは鉄道仲間、このイベントがどういう経緯で進み現場では何が起きていたかという話にワタシも興奮した。
これは技術的な話――ネット配信する際の音の調整は技術的に確立されておらず、バランスが非常に難しいなど――も非常に興味深かったが、彼らがtwitterで連絡を取る程度のやり取りでこのイベントが開催されたと言う経緯に驚かされた。
そしてなによりこのイベントを平日の昼間にも関わらず、瞬間9000人近い人が視聴し、のべ6万人(ustream放送時の荒い集計なので数字は前後する)近い人が視聴したことに驚く。
なんだよー、聞きたかったー
つまり大掛かりな準備もなく、また告知もなく、このイベントがこれだけの成果を挙げられたということは、音楽界に新たな可能性が生まれた歴史的な日だというのだ
放送の締めに、向谷氏は次のように述べていた。
「ustreamによる新たな可能性、誰でも音楽を世界に向かって発信できることがわかったし、しかし誰でもはできないこともわかったと思う」
この『誰でもはできない』というのにはいくつか理由がある
もちろん坂本龍一出なければこれだけの数字は稼げなかったし、坂本龍一くらい出なければこれほど自由な活動ができないだろう
ミュージシャンとレコード会社の関係はもはやこれまでのように行かないだろう事はうすうす感じていたけれど、この日の出来事は、やはりそういった流れを加速する歴史的な一日だったのかもしれない
さて、このことは知らなければ、たぶん「へー、そんなことあったんだー」と思う程度だったと思うが、ustreamでの向谷氏の興奮した姿を見せられると、すっかりそれにあてられてしまった
と、いうことで歴史的な一日を見逃した男の、それでもなんとなくその雰囲気がわかったというお話でした