引越し当日。

朝、いつも通り小学生の子どもたちがマンションからたくさん学校に向かっていた。


もう、私の子どもたちはここから登校することはない。いつも通り、見送った玄関とも、メインエントランスともお別れ。


引越しの大詰め。

たくさんの物を捨てた。

幸い、いつでもゴミを捨てることができるマンションなので、引越しのギリギリまで捨てることができた。


まてどくらせど引越し業者が来ない。

約束の時間になっても来ない。

引越し業者は、いつも予定時間に来ない。

夕方4時にようやく引っ越しが始まった。


ダンボールが運び出され、

家具が分解され。

家が空っぽになった。


預けていた子どもたちを両親が連れてきてくれた。

両親と別れの時。

こんなに遠くに暮らしたことはこれまでの人生でなかった。


産まれたときからずーーっと、誰よりもそばで支えてくれた母。


わたし自身が妊娠出産してからは特に、更に支えてもらった。

里帰り中は至れり尽くせり、自分の家に戻ってからも毎週必ず子育ての応援に来てくれた。

母のおかげで、美容院に行ったり、病院に行ったり、色々とできた。

仕事に復帰してからは、子どもの急な発熱に駆けつけて、1日中ベビーシッターしてくれた。

母のおかげで、仕事でも信頼されるワーママとして成果を上げられた。


もう、どんなに大変な時も母に頼れない。

そう思うと、これまでいかに助けてもらっていたか、

自分がダメなとき、必ず助けてもらえたという保険がどれだけ自分にとって心強かったかを思い知った。


自分が今日まで、子どもの母親でいられたのは、母がどんな時も一番の味方でいてくれたから。


本当に寂しさが押し寄せた。


母から、餞別と手紙をもらった。


「大変な時にいつも支えてくれてありがとう。とても心強かったです。あなたが娘で幸せです。慣れない土地で大変だと思うけど、家族仲良くがんばってね。応援してます。」


涙が溢れた。