雪が溶け、大地本来の色が段々と顔を出しつつあるこの時期・・・


いつもの山に来ている。

残っている雪も泥に汚れ、新しい芽吹きにはまだ早く、いわゆる“写真向きの写真”を撮るには最も向かない季節でもある。

下界は・・・25℃?!

正に、夏もすぐそこ・・・というわけだ。 

・・・が、ここの大気はまだ・・・キンと冷えた冬の名残を残している。

そんな中、露天風呂につかりながら、大地の色や形をつぶさに観察する・・・

空はどんよりと曇っており、時折小雨もちらついている。

普段は、注目することのない“土”そのものを眺めているうちに、何か身体に力がみなぎって来るのを感じる・・・

私たちは皆、大地の子だ。

寝ている時以外は、大地に繋がる何ものかに足をつけて生きている。

足の裏で、地球と繋がっているのだ。

早速、最近下界で励行している歩行禅を、ここでもやってみる・・・

目をつぶって10歩歩き・・・、その後、2歩程目を開けて歩いて、歩行の逸れを修正する。

それを繰り返す。

慣れてきたら、目をつぶって歩く10歩を・・・12歩・・・15歩・・・20歩・・・と伸ばしていく。

すると、意識のほとんど全てを、足裏に集中せざるを得なくなる。

目をつぶるという行為には、限りなく・・・身体の動きの集中力を高める効能があるのだ。

普段は、街中でもこの歩行禅をやっている。

ウォーキングと同じく、特にその時間を設けるわけではない。

普段の生活に、自然に取り入れているのだ。

思考を離れ身体に集中するには、もってこいの方法だ。

心は本来、ニュートラルなもの・・・

なるべく心をその状態に近づけるためには、身体に徹底的に集中する時間を取り入れることが、何より肝要なのだ。

大地の力強い色を眺めながら、両掌をお腹と背中から膀胱に当てる・・・

そして・・・

「膀胱癌細胞は、もうここにはいないよ・・・」

 ・・・そう自分に言い聞かせる。

そんな私を、無言のまま抱き取ってくれる山々・・・

土の色をこれ程美しく感じたことは、今まで無かった。

山が変わったのではない。

私が変わったのだ。

今日もそしてこれからも、自分の見解に執着することなく日々生きていきたい。

心はきっと自由になれる。

そんな日がやって来る事を信じ、これからも生きていこうと思う。

ではではまたまた・・・

生きとし生けるものが幸せでありますように🍀