いつもプライベートでも仕事でも利用
させていただいている日吉のイタリアン
”トラットリア・アクイロット”。
現オーナーシェフ工藤さんは1年ちょっと
までこの店舗の近くの”アルピノ”という店
で15年シェフとして腕をふるっていた方。
アクイロットは工藤シェフが1年前に独立
しオーナーとして出されたお店です。
私がその”アルピノ”に通いだしたのが
2011年(平成23年)、通い出して初めて
接客してくれたのがアクイロット現支配人
、長谷川ソムリエさん。
ワインをほぼ飲んだことすらなかった自
分に1から教えてくれたのは長谷川ソム
リエさんなんです。
工藤シェフは当時からイタリアワインの
みに拘り、店に置くものは全てイタリア
ワイン。
現在のアクイロットでも同様です。
で、通い出し2年が過ぎたあたりから
工藤シェフも度々気にかけてくれるよう
になり、それからはお二人で自分の先生
になってくださいました(笑。
アルピノ当時はそれはもう今ではまず手
に入らない、お目にかかれないような超
レアなワインも飲ませていただいており
ました。
そんな中、過去のこのブログの中で、私
が当時最も衝撃を受けた1本のことを書
き残した記事があったのでご紹介いた
します。
毎年当社はゴールデンウィークを休んだ
事がありません。
御客様の来店予定が無ければ少し早め
にお店は閉めますが、ほぼ通常営業を
しております。
とはいえ、せっかくの連休。
ほんの少しでも休日気分を味わいたいが
為に、いきつけの店、アルピノさんへ。
今回の訪問では前から楽しみにしており、
入庫した日にキープを御願いしていた
ワインを飲む事にしました。
数日前にたった1本だけ奇跡的に入った
という赤をシェフの好意でいただく事に
しました。
"Rosso Miani 1997 Colli Orientali
この”ロッソ・ミアーニ”はメルロ主体に
カベルネがブレンドされていましたが、
97yが最後のヴィンテージとなり、まさ
に幻と言われるようになったそうです。
通常はこのミアーニの現物を見れるだ
けでも貴重な事なのに、中でもとくに
大変稀少なラストヴィンテージ物の
1997yとは恐れいりました。
力強い香り、高貴な味わいはホントに
素晴らしい1本でした。
このワイン、後で調べてみるとなんと
ワインの漫画で有名な”神の雫”の
1巻に登場してました。
しかも出ていたのはまさに今回飲ませ
てもらったロッソ・ミアーニの1997y。
それほどのワインだったようです。
一巻より 「ミアーニ・ロッソ」
ロバート・パーカー氏が高得点を与え、
ワイナート誌も「世界最高のひとつといって
も過言ではない。
ミアーニの無い人生などもはや考えられ
るはずもないのだ 」と絶賛べた誉めの
超大物で、品質はもとより年産たったの
約7000本しか世に出ない極めて希少
な逸品。
官能的に踊り狂うサロメ。
そう、まさにこのワインは「 官能 」
そのものだ 」
シャンベルタン・クロ・ド・ベーズが、同じ
15haくらいの畑から約6万本のワイン
を生産していることに対して、ミアーニの
生産量は「 狂気である 」と表現されて
内側から押してくる高密度にパワフルな
「ミアーニ」が日本で大々的に取り上げら
れたのは、ワイン専門誌「ワイナート13号」
での事。
北イタリアのワインが特集されたその号で、
生産者としては一番に紹介されました。
その誌面では、ミアーニの驚異的な低収量
を物語る記述として、下記のように紹介さ
れています。
「たぶん世界中のブドウ畑の中で 、最も信じがたい光景。 収穫前に普通に見られるあのたわ わに実った風景とは隔絶した、 背筋が寒くなるほどの、恐るべき空白 に支配される畑。畑にブドウが ほとんどないのだ。」 を誰か見た事があるか。これほど 小さい粒を、これほどの粗粒着を、 そしてこれほど少ない房の数を、 ほかに見たことがあるか。」 |
ミアーニの畑は15ヘクタール。
そこから生まれるワインは僅かに7300本
ほど。
同じく15ヘクタールの広さを持つ、世界で
最も厳しい収穫制限が行われているブル
ゴーニュの特級畑の一つ、シャンベルタ
ン・クロ・ド・ベーズの生産量は6万本です
調べれば調べるほどにこのワインの素晴
らしさが解ります。
だったら飲む前に調べておけばよかった・・
というのは言うまでも無く・・。
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とんでもない奇跡のビンテージワインを
当時工藤シェフの個人的コレクションの
中の1本として飲ましていただいたもの
でした。
2014年といえば通い出して3年。
ワインを知って3年。
私的にまだまだの覚えたてに毛の生え
た程度のレベルの時。
そのタイミングでこれほどの希少ワイン
を出してくれたなんて・・。
工藤シェフには当時色々な価格帯のも
のを飲ませていただき色々と勉強させて
いただいてましたが、上記のものはそう
いった類のものとは別物。
1997yのロッソ・ミアーニは現在ネット
でさえ売り物なんて1本もありません。
改めて工藤シェフには感謝であります。