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図書館に本を返却に行って

フラリと棚を回ったときに、ふと、目についた本。

 

先日、本友達のいっこさんが「読んだよ」と教えてくれた

この本でした。

 
 
『水曜日の手紙』  森沢明夫 著
 
3人の主人公、5つのお話からなるオムニバス形式です。
 
最初に出て来るのは
毎日を、家事と育児とパートでいっぱいいっぱいで過ごす40代の女性。
唯一の息抜きは、
夜、家族が寝静まった後に書く、日記。
 
そんな主人公が久しぶりに会った高校時代の女友達は
好きな仕事をし、優しい旦那さんがいて、裕福で。
キラキラにしかみえない女友達の様子に
どうしても、自分がみじめに思えてしまう主人公。
 
「そんなに、自分のことを「最悪」っていわないほうがいいいんじゃないかな」
といってくれる友人の言葉も素直に受け入れられないほど
主人公の心はささくれ立っています。
 
女友達から逃げるようにして家に帰った主人公は
また始まった変わり映えしない日々のなかで
あの時、女友達に聞いた「水曜日の手紙」のことを思い出します。
 
と同時に、見返した自分の日記。
主人公が毎夜、日記にしたためていたのは
愚痴という名の「毒」。
 
誰にも見せるわけではない、
誰かに言うわけでもない。
こっそりしたためているだけなのだから、誰も傷つけない。
これは「浄化」なのだ。
 
そう自分に言い聞かせて、
書き出していたものを見返してみると…
弱くて、すぐに効いてくる毒ではないにしろ
確実に、心を石のように変えてしまっていた言葉の数々。
 
こんなことを毎日毎日書いていていいのかな。
 
そう思った主人公は
思い出した「水曜日の手紙」に
高校生の時に思い描いていた夢を実現させた
「理想の人生を歩んでいる自分」
を書きつらねます。
 
水曜日の手紙は
どこかの、誰かに、届くかもしれない不思議な手紙。
もしも
どこかの、誰かに届くなら。
 
毒ではなく、
読んでくれた人、その人の周りにいてくれる人の未来が
輝くものであるように
という願いをこめて。
 
そんな「水曜日の手紙」を次に書くのは
2人目の主人公、33歳の男性。
 
やってみたい夢はあるけれど、
現実的には無理だよな。
とモヤモヤを抱えながら毎日を過ごしています。
 
婚約者から「水曜日の手紙」を聞いた主人公は
「今の、自分の気持ち」
を率直に、書き殴ります。
 
ボールペンで書いてるから、間違った字は消せない。
ぐしゃぐしゃと塗りつぶして、心の思うままに。
 
書いて、スッキリした主人公は
これで前向きに毎日を受け入れていける!
と思えます。
 
 
そんな2人の手紙を受けとる「水曜日郵便局」に勤務する男性が
3人目の主人公。
この方の、直感と、粋な計らいで
2人の書いた「水曜日の手紙」が交差します。
 
そして、後半。
この手紙をもらった2人の主人公の大きなターニングポイントになります。
どこかの、誰か知らない人が書いた手紙。
そこに書かれている言葉の数々が
それぞれの心を動かします。
 
どんな風に、心が動いて
どんなふうに背中を押されて、踏み出したのか。
それは、ぜひ、読んでみてください。
 
この作品は、物語になっているから
まったくちがうものではあるのですが
先日読了したこの本の内容と、なんとなくリンクしてるような気がしました。
 
人生の方向転換をする。
リスキーな道を歩き出す。
あるいは、そんな恰好いいことを言いつつも、やっぱり怖くなって、今まで通りに生きてく。
なんだか、どれでもいいや、と私は思った。
きっと、どれを選んでも正解なのだ。
 
そして、
あの「理想の人生」が書いてある手紙をもらった側の主人公は
その手紙が、自分をここまで導いてくれたように
 
ご縁がどこまでも連鎖していって、この地球の見知らぬどこかで、
見知らぬ誰かに影響を与えている。
そう。この水曜日郵便局から送られてきた手紙のように、
見知らぬ誰かの水曜日が、見知らぬ誰かの人生を変えていたりして――。
 
こんなふうに考えたりもします。
 
いつもと同じ毎日だな…って
「変わり映えしない毎日」(本当はこれも幸せな1日なんだけれど)を
なんとかしたいなぁ…
と思ったときに読んでみてほしい作品です。
 
よんだあとに、今日がどんなに幸せだったか
ほんの少し気付けるはずだからウインク
 

 

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