お越しくださりありがとうございます。

 

昨日はなんだかやる気がなくて

(雨だったから?連休のお出かけ疲れ??)

夕ご飯も手抜きしまくりで

読書に励んでおりました。

(これは元気なくてもできる!むしろ元気になれる!

 

対談本です。

 

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『人生の道しるべ』 宮本輝・吉本ばなな

 

吉本ばななさんの作品は大好きで

ほとんど読んでいるのですが

 

宮本輝さんの作品は

中学生の時「花の降る午後」を読んだだけ。

神戸のレストランが舞台で

そこを切り盛りする女性が主人公だったような…?

中学生で読める内容だったのかは…不明。

というか、記憶がおぼろ。

 

でも

何かのインタビュー記事とその時の写真の記憶なのか

「宮本輝って、知的で品のいいおじさん作家」

ってイメージがあって。私の中で。

 

大好きな作家さんと

素敵なおじさん作家さん(笑)の対談本。

 

すごくゆったりした内容です。

お二人とも50歳を超えていて

がつがつした感じとか

そわそわした感じとかがなくて。

 

あと

吉本さんだけのエッセイだと、隙がない感じなのですが

宮本さんにゆだねているというか

吉本さんの力の抜け具合もすごくいい感じです。

安心してお話ししている感じ。

河合隼雄さんとの対談本もこんな感じだったな、と。

関西弁が、心を緩ませるのかしら…??

 

この対談では2人が、

作家ならではの心のざわざわや

ものを書くにあたりの心の持ちよう

長く書き続けることを目標にした体調管理などを

お話しされています。

その様子を読み

作家という職業はすごーく地道で、根気のいるお仕事なんだ

と知りました。

 

毎日、出勤するわけでもなく

誰に会うでもなく、家で1人でこつこつ書いている。

しっかり自分を持ってないと、書き続けていけないし。

宮本さんが師匠に言われたという

「金看板」を持てる人、持てない人の話も面白かった!

(確かに作家さんは面と向かって言われたらぞっとすると思う)

 

宮本さんが中学生のとき

2か月かけて、夜な夜な作業してつくったものを

同級生が持っているあるものと交換してしまう話があるのですが

このエピソードには笑ってしまいました。

品のいいおじさん(私イメージ)にも

そんな時代があったのか!!

と吹き出しました。

 

そんな若い時の話や

子供のころの話とか

夫婦や親子の話もあります。

 

宮本さんのお話を聞いて

吉本さんが「メモします!」ということがあったりするのですが

本当にメモしておきたくなる話があちこちに。

 

終盤

20~30代の人の精神年齢が上がらないのは

10代のころに名作にふれてないからではないか?

という話になるんです。

 

書籍の売り上げとかではなく

小説を読み、文学に触れるというのは

ゲームやネットにはない、

人生の多様性や可能性に触れることができるのに…。

本の中で忍耐や、本当の意味の悲しみ(大失恋や肉親の死)など

いきなり実体験しては辛いようなことを予習するように

そんな風に本を読めばいい。

というくだりを読んで、

激しく共感しました。

 

中学生で読んで理解できなかったこと

腑に落ちなかったことも

大人になって読んだらカチッと歯車が合う時が必ず来る

とも。

これも納得。

 

この対談本を読了後、

吉本作品を読み直したくなったし

宮本作品は気になるものから読んでみようと思いました。

まずは「花の降る午後」を読み直します!

(再読というより

もはや始めて読む感覚だとは思いますが…)