空飛ぶクルマ」。そんな言い方は海外ではしていないと思いますが、ふんわりと「未来の移動手段」というイメージが浮かびます。


大阪・関西万博の目玉の一つのように報道されたりもしていますが、「空飛ぶクルマ」は夢の乗り物なのでしょうか。20世紀後期の少年は、藤子不二雄マンガなどに出てくるエアカーを見てワクワクしました。


しかし大人になり21世紀に生きている私は、自動車のように免許があれば誰でも「空飛ぶクルマ」に乗れる未来に恐ろしさを禁じえません。設計・製造段階での不備や整備ミス、交通(航空?)事故などで頭上から乗り物が落ちてくることは皆無にはできないでしょう。


「空飛ぶクルマ」は英語では e-VTOL と呼ばれることが多いようです。翻訳すると「電気垂直離着陸機」くらいの意味です。すでに公開されている映像からわかる通り、「クルマ」などではなく、航空機の一種です。


はじめに否定的なことから書き始めましたが、国内外の企業が躍起になって開発していることからもわかる通り、e-VTOL は経済や交通インフラの観点から社会に好影響を与えることが期待されます。我ながら、悲観ばかりするのも考えものです。


では、現在どのような利用のされ方が考えられているのでしょうか。


乗ってみてわかった…!大阪万博の目玉「空飛ぶクルマ」の運行許可が遅れている「意外な理由」


本記事の主題は e-VTOL の早期商業運航を妨げているものは国土交通省による型式証明と航空証明の審査・発行が遅れていることだと指摘することです。


でも私は本記事から企業が考える e-VTOL がある未来の一端をうかがい知ることができました。そしてはじめに記したような心配ばかりをしなくてもいいかもしれないと思えるようになりました。


要は「空飛ぶバス・タクシー」のような運用方法です。地上を走る自動車では渋滞で移動に時間がかかりそうな地点間を空で結んで乗客を運んだり、鉄道などでの移動が不便な場所への新しい公共交通機関として運用したりできます。


ともに実現すれば国内・国外からの観光客に便利でしょう。また独自の魅力を持ちながら交通の不便さが理由で観光客を誘引することができずにいた地域の希望にもなるでしょう。さらに前者は多くのビジネス利用も見込まれます。


今は妙に大阪・関西万博の目玉としてだけ取り上げたり、目新しさとなんか知らんが金儲けができそうだくらいの漠然と報道したりするのがほとんどのような気がします。だから私のように斜に構えたものの見方しかしない人間には警戒されるし、社会の発展に前向きな人たちにも「楽しそうな夢の乗り物」くらいのイメージしか伝わっていないのではないでしょうか。


きちんとした説明を聞けば、 e-VTOL が社会・経済の発展に貢献する可能性が高いことは確かです。一方で、実用化が進めば人が生活する場所の上空を飛ぶ機体が増えることも確かで、事故の数も増えることでしょう。(私には e-VTOL は小さなオスプレイのようにも見えます。)


期待と不安の両面から理解し、社会や個々人がどのように受け入れていけるのか、より具体的になればいいなと思います。