のらねこ日記 ~ 《ぼっさ》と《せてぃ》と《おひとりさま》 ~ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

展覧会初日の先週水曜は朝8時半に家を出て、搬入に展示と大仕事

12時会場なので3時間ですべてを終わらせなければならなかった

魔女の方は男手がないので魔女が高い脚立に乗りそうにゃんさんとふたりで頑張る

 

なのでのらさんご飯は家族①が行ってくれた

ついでに木、金曜と3日間、けもの道から公園まで行ってくれるというので非常に助かった

土、日の公園は手伝いさんが

月曜は頼み込んで、あんずママさんが公園に行ってくれることになったので

期間中、魔女は土、日、月だけ けもの道に行けばよくて、開場には何とか間に合うことが出来た

 

 

そんなけもの道から《ぼっさ》の姿が消えた

展覧会前日は激しい雨で

建売業者によってハウスを棄てられた《ぼっさ》はけもの道に身を寄せる場所がなくなった

それでこの日から《ぼっさ》がいなくなった

 

家族①から連日《ぼっさ》がいないと告げられ、不安で仕方がなかった

会場で、絵の中のあっぱれな《ぼっさ》に 「無事でいてね」 と毎日話しかけた

 

結局《ぼっさ》は魔女が行った土曜日も現れず、これでもう5日姿がない

心配が募る

 

 

そんな中、あの戯けた業者は姿を見せず

けもの道のみんなはのんびりとご飯が食べられた

 

そして日曜日、集まったみんなにお弁当を分けていたら

お尻を何かに押された

首を捩じって見てみると、ボッサが魔女のお尻に顔を埋めている

 

思わず取り分けていたフォークを落とし、《ぼっさ》を胸に抱いた

《ぼっさ》は涎口をぎゅうぎゅう魔女の胸に押し付けて顔を埋めた

 

けもの道軍団が 「はやく ごはん ちょうだい!!」 と騒ぐ

《ぼっさ》を降ろし、みんなにご飯を配りながら《ぼっさ》には少し待つように言った

 

配り終わって振り返ったら、《ぼっさ》が《おひとりさま》のカリカリを奪っていた

カリカリを食べる(丸呑みする)ほどお腹が減ってたんだね

月曜の朝食べたきりだから6日振りのご飯だ

 

その後、《ぼっさ》は魔女にくっついて《せてぃ》の空家のところまで来た

 

 

まじょ 「《ぼっさ》、どこにいたの?! しんぱいしてたんだよ」

 

ぼっさ 「まじょ きない きがしてたから・・」

 

魔女 「まじょが きなくても だれかくるから ちゃんとここきて ごはんたべないと だめでしょ」

 

ぼっさ 「くちが・・」

 

魔女 「くちが いたかったの?」

 

ぼっさ 「わるい にんげんに いやなことされて ねどこを おいだされて いえ すてられて・・ それで おれ・・ きぶんが わるくなって  そしたら どんどん くちが いたくなっちまって・・」

 

魔女 (ストレスだ・・)

 

ぼっさ 「そでで、たべもの したら くちがいたくて たまらないから もうたべないが いいとおもった」

 

魔女 「それで なにも たべないで くちを なおしてたのね」

 

ぼっさ 「うん」

 

魔女 「つらかったね」

 

ぼっさ 「なれてるから  うんといたくなったら たべないと すこし よくなるから  ずっと そうして きた」

 

魔女 「えらいね・・」

 

ぼっさ 「まじょ めしくれ!」

 

魔女 「たりないんかい!」

 

 

6日ぶりのご飯を、《ぼっさ》は貪り食った

散々カリカリを飲み込んだ後、焼ささみを4本食べたんだよ

 

満腹になった《ぼっさ》はそこにいる《おひとりさま》に顔をくっつけた

 

 

ぼっさ 「おまえ、なつかしいな」

 

おひとりさま 「・・」

 

ぼっさ 「おあまえといると なんか あんしんするわ」

 

おひとりさま 「やめてよ・・」

 

 

せてぃ 「まあじょぉぉーーー!」

 

魔女 「どうしたの?」

 

 

せてぃ 「また 《ぼっさ》が きてる!」

 

魔女 「いいじゃない」

 

せてぃ 「やだっ!」

 

魔女 「おじいちゃんなんだから いさせて あげな」

 

せてぃ 「やだ!」

 

魔女 「そういえば あなた、うしろから 《ぼっさ》の あしを さんざん なぐったでしょう」

 

せてぃ 「なんで しってるの?!」

 

魔女 「かぞくいちから きいたわよ」

 

せてぃ 「だって ふつうの かおして わたしの りょうどに はいって くるんだよ!!」

 

魔女 「いえ すてられて いくところが なくなったんだから ゆるしてやりな」

 

 

せてぃ 「おじいちゃんだから なによ・・  ここは わたしの りょうどなのにさ ブツブツ」

 

 

おひとりさま 「いいじゃないか~」

 

 

おひとりさま 「《ぼっさ》、きて おれ やっと あんしんした!」

 

魔女 「あれ? 《おひとりさま》も 《ぼっさ》のこと にがてだったじゃない」

 

おひとりさま 「おれ 《ぼっさ》のこと まえは すごくこわかった」

 

魔女 「わかるわぁ」

 

おひとりさま 「だって きもち あらくてさ きにいらない ねこいたら おいかけまわして かみついて」

 

魔女 「そうだったわね」

 

おひとりさま 「だけど、いまの 《ぼっさ》は よたよたして あのころとはちがうねこになっちゃった」

 

魔女 「からだの おおきさも あのころの はんぶんに なっちゃったしね・・」

 

おひとりさま 「おれ、むかしの 《ぼっさ》 しってるから  いまは ちょっと かなしい」

 

魔女 「そうか・・」

 

おひとりさま 「だから おれ 《ぼっさ》 いないと しんぱいする」

 

 

 

《ぼっさ》が戻ってくれて良かった

やっと安心できた

 

口が辛くなると暫くご飯を食べずに少しでも口を治す

知恵があるなぁ

立派だな

 

《ぼっさ》、この日からから毎日おり

無一物と焼ささみを食べまくっています

 

 

一番心配だった《ぼっさ》も何とか冬を乗り切ったね!

 

みんな、もうすぐ春だよ!!